GMA

 

GMA社とは? 食品加工・包装の自動化を支えるフランスの産業機械メーカー

1. 会社概要

GMAは、フランスを拠点とする産業機械メーカーで、食品加工機械や自動包装設備、生産ラインの設計・製造を手掛けています。食品を切断する装置から、製品を整列させて容器に詰める装置、ロボットを活用した搬送・包装システムまで、食品工場の自動化に関わる幅広い設備を提供しています。

一般的なFA機器メーカーが、センサー、PLC、インバーター、サーボモーターなどの制御機器を中心に製品を展開するのに対し、GMAは、それらの技術を組み合わせて特定の生産工程を実現する専用機・自動生産ラインのメーカーという位置付けです。

同社の公式サイトによると、1973年にフランス東部のジュラ県ポリニーで創業しました。2024年1月時点で従業員数は約50人、世界35か国で事業を展開し、累計約2,600台の機械を世界各地に設置していました。売上高に占める輸出の割合は50~70%とされており、海外市場も重要な位置を占めています。


GMAの特徴は、標準的な機械を販売するだけでなく、加工対象となる食品の形状、硬さ、粘着性、サイズ、生産能力、清掃性などに合わせて設備を設計できる点です。

食品工場では、同じ切断工程でも、硬いチーズ、柔らかいケーキ、崩れやすい焼き菓子では必要な機械の仕様が異なります。GMAは、このような製品ごとの違いを考慮した自動化設備を提供しています。

2. GMA社の歴史

GMAは、創業以来、機械設計・製造の技術を蓄積しながら、食品加工や包装分野へ事業を広げてきました。

主な沿革

1973年

GMA創業

フランスのポリニーで事業を開始。当初は機械加工、眼鏡関連、食品産業などの地域企業を顧客としていました。

1981年

設計部門を設置

顧客の要求に応じた自動機械や生産ラインを開発する体制を整え、フランス国内で事業を拡大しました。

1988年

輸出事業を開始

欧州市場への販売を始め、海外の販売代理店ネットワークを構築しました。

2011年

経営体制を刷新

Marie-Pierre Vienne氏とPatrice Vienne氏が事業を引き継ぎました。

2013~17年

関連技術を拡充

油圧プレス、食品包装専用機、食品切断ラインなどに関係する企業を買収し、機械設計から加工・包装までの対応範囲を広げました。

出典:GMA公式サイトの沿革。


この沿革から分かるのは、GMAが単一の加工機械だけを製造する企業から、複数の工程を組み合わせた自動生産ラインを提供する企業へと発展してきたことです。

また、買収によって得た技術を活用し、機械設計、電気設計、ロボット制御、搬送、包装などを組み合わせる体制を整えてきました。

3. 主力製品

GMAの製品は、食品の切断・加工、搬送、包装、容器製造などに大別できます。

3-1. 食品切断機

食品の切断は、GMAの代表的な事業分野です。チーズ、ハム、ケーキ、菓子、パイなどを、指定された形状や寸法に切り分ける設備を製造しています。

製品によっては、超音波カッター、機械式の刃物、ワイヤーなどの切断方式を選択できます。

超音波切断は、刃物に高周波振動を与えて食品を切断する方式です。粘着性の高い食品や、切断面の美しさが求められる製品などに適しています。ただし、適切な切断方式は食品の種類や状態によって異なります。

公式サイトに掲載されている代表的な機種には、次のものがあります。


型式

主な用途

ST-28

チーズ、ケーキ、惣菜などの超音波切断

ST-90

チーズや惣菜などの切断

ST-170

チーズやハムなどのスライス

ST-320

ケーキなどの焼き菓子の切断

ST-350

チーズのスライス

ST-370

一定重量を基準としたチーズ切断

これらは単に食品を切る機械ではありません。切断寸法の安定化、作業者の負担軽減、処理能力の向上などを目的とした自動化設備です。

3-2. 自動包装機・包装ライン

GMAは、切断した食品などをトレー、箱、容器に収納する自動包装設備も提供しています。

代表例として、MEB-80はチーズやハムなどをトレーに収納する包装機です。また、LCRやLCBなどの設備は、製品の形状や包装方式に合わせた自動包装・搬送工程に使用されます。

食品の形状が不揃いであったり、柔らかく変形しやすかったりする場合、一般的な搬送装置では製品を適切に扱えないことがあります。そのため、製品の位置決めや取り出し、整列、容器への投入などを一連の動作として設計する必要があります。

GMA

3-3. ロボットを利用した自動化設備

GMAは、食品を扱うロボットセルや自動搬送設備も設計しています。

例えば、焼き菓子をトレーから取り出して整列させる作業や、食品を所定の位置に配置する作業などです。

ロボットを活用することで、繰り返し作業の自動化に加え、製品の切り替えや生産量の変動への対応も期待できます。ただし、対応可能な製品や速度は、ロボットの構成、ハンド、食品の形状などによって変わります。


3-4. 食品加工機械・容器製造設備

食品の加工工程では、切断以外にも、材料の供給、成形、充填、整列などの作業が必要です。

GMAは、パイやタルトの生地成形、チーズの加工、材料の定量供給といった工程にも対応しています。また、食品を収納する紙製の箱やトレーなどの製造設備も展開しています。

 

 

このように、加工機械と包装設備を組み合わせることで、食品工場の生産工程全体を自動化できる点が、GMAの大きな特徴です。

4. GMA社とFAの関係

GMAは、FAの中でも食品製造ラインの自動化を担う企業です。

食品工場の自動生産ラインは、一般的に次のような工程で構成されます。

① 食品の供給

材料・製品を機械に投入

② 加工・切断

指定寸法への切断、成形、定量供給

③ 搬送・整列

コンベヤーやロボットによる位置決め

④ 包装・箱詰め

トレーへの投入、容器への収納

⑤ 検査・出荷工程へ

後工程の検査や物流設備に接続

このようなラインでは、機械の動作を制御するPLC、位置や速度を調整するサーボモーター、製品の有無を検知するセンサー、搬送用モーター、操作盤などが重要な役割を果たします。

ただし、これらの制御機器がGMAの自社製品であるとは限りません。GMAの主な役割は、必要な制御機器や機械要素を組み合わせ、顧客の製造工程に適合する設備として設計・製造することです。

食品製造では、一般的な工業製品の製造とは異なる要求があります。食品への異物混入を防ぐ構造、洗浄のしやすさ、衛生面への配慮、製品の破損防止などです。

したがって、GMAのFA技術は、単純な高速化だけでなく、品質の安定化、衛生管理、歩留まりの改善、作業者の負担軽減にも関係しています。

5. GMA社の型番の見方

GMAの機械を中古市場や保守部品市場で取り扱う際には、型番の確認が重要です。

同社の公式製品情報には、ST-28、ST-90、ST-170、ST-320、ST-350、ST-370、MEB-80、MF-50などの機種名が掲載されています。

 

 

これらの型番については、メーカーが公表した命名規則を確認できない限り、数字やアルファベットの意味を断定するべきではありません。例えば、ST-28の「28」が切断幅や能力を表しているとは、型番だけでは判断できません。

中古機を調査する場合には、次の情報を照合します。

  • メーカー名: GMA、または機械銘板に記載された正式な製造者名
  • 機種名・型式: ST-28、MEB-80など
  • 製造番号: 個体を特定するための番号
  • 製造年: 設計世代や部品の入手可能性を調べる手掛かり
  • 電気仕様: 電源電圧、周波数、消費電力など
  • 制御機器: PLC、タッチパネル、サーボアンプ、インバーターなどのメーカー名と型式

特に、同じ機種名でも、納入先の要求に応じて仕様変更やオプション追加が行われている可能性があります。機械の型式だけでなく、銘板、電気図面、部品表を合わせて確認することが重要です。

6. 中古市場・保守部品でのポイント

FA機器の中古販売・修理を行うMRO事業者にとって、GMAの設備は、一般的な単体制御機器とは異なる注意点があります。

6-1. 完成機と制御部品を区別する

GMAの製品は、食品加工機械や自動生産ラインなどの完成設備が中心です。そのため、中古市場では、機械本体を扱うケースと、内部に搭載された制御機器や電気部品を扱うケースを区別する必要があります。

例えば、故障した包装機から取り外されたPLCやサーボアンプを調査する場合、部品のメーカー名と型式を確認することで、個別に交換・修理できる可能性があります。

一方、制御機器を単純に交換しただけでは、機械が正常に動作しないこともあります。プログラム、パラメーター、通信設定などが必要になるためです。

6-2. PLCやサーボアンプは型式だけで判断しない

中古の制御部品を調達する際は、型式の一致だけでなく、ハードウェアのバージョン、ファームウェア、通信方式、接続先との互換性を確認します。

PLCの交換では、プログラムや設定データが必要になる場合があります。サーボアンプでは、対応するモーターやエンコーダー、制御方式などの確認が必要です。

また、食品製造ラインでは、複数の機械が連動していることがあります。1台の制御装置を交換する場合でも、ライン全体のインターロックや安全回路への影響を考慮しなければなりません。

6-3. 機械固有の部品は図面と製造番号が重要

切断刃、専用治具、搬送部品、製品ガイドなどは、加工対象の食品や機械の仕様に応じて設計されている可能性があります。

このような部品は、一般的なFA部品のように型式だけで代替品を探せるとは限りません。製造番号、組立図、部品表、現物寸法などを照合し、必要に応じてメーカーに確認することが重要です。

6-4. 中古機の価値は稼働条件にも左右される

食品加工機械では、稼働時間だけでなく、洗浄方法、湿気、洗剤への曝露、食品残渣の付着、刃物や搬送部の摩耗なども状態評価に影響します。

中古機の査定では、外観だけでなく、モーターや駆動部の状態、センサーの検知精度、安全装置、制御盤の腐食なども確認したいところです。

また、機械本体が正常でも、制御プログラムや電気図面が欠けていると、再設置や復旧に時間がかかることがあります。中古機の販売では、付属資料の有無も重要な評価項目です。

7. まとめ

GMAは、1973年にフランスで創業した食品加工機械・自動生産ラインメーカーです。食品の切断・成形から、ロボット搬送、自動包装、容器製造まで幅広い設備を扱い、顧客ごとの生産条件に合わせた自動化ソリューションを提供しています。

FAストレート・ジャーナルの観点では、GMAはPLCやサーボアンプなどの単体制御機器メーカーというより、複数の機械要素と制御技術を統合する食品製造ラインのシステムインテグレーター兼専用機メーカーとして理解するとよいでしょう。

中古設備や保守部品の調達では、機械の型式・製造番号だけでなく、搭載された制御機器の型式、電気図面、プログラム、設定データを合わせて確認することが、安定した保守・修理につながります。

 

 

 

サプライチェーン情報

 

弊社の流通中古市場調査で、GMA製の製品・部品は約4,000種類確認されています。

また互換・同等の製品・部品を供給している会社・ブランドは確認できませんでした。

 

上記のサプライチェーン情報は2026年 10月に調査した流通在庫データをベースにしていますので日時の経過によって変動いたします。

 

 

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