AT&T
AT&T について AT&T ( American Telephone and Telegraph Company )は、アメリカを代表する総合通信企業であり、世界の通信史において極めて重要な役割を果たしてきた企業である。本社は米国テキサス州ダラスに置かれ、現在は主に無線通信(モバイル通信)、固定通信、ブロードバンド、法人向けネットワークサービスなどを展開している。 1. 創業と電話事業の独占 AT&T の起源は 19 世紀にさかのぼる。電話の発明者として知られる Alexander Graham Bell が設立したベル電話会社を母体とし、 1885 年に長距離通信会社として AT&T が設立された。以降、 AT&T は米国内の電話網を統合し、 20 世紀前半には事実上の独占企業となった。 この巨大組織は「ベル・システム」と呼ばれ、地域電話会社、研究機関、製造部門を傘下に収める垂直統合型体制を築いた。その中核研究機関が Bell Laboratories (ベル研究所)であり、ここからはトランジスタ、情報理論、 UNIX など、現代技術の基盤となる発明が数多く生まれた。ベル研究所の研究者は複数のノーベル賞受賞者を輩出している。 2. 1984 年の分割(独占解体) しかし、巨大独占企業であった AT&T は反トラスト法(独占禁止法)訴訟の対象となり、 1984 年に米国政府との和解により分割された。これにより、地域電話会社は「ベビーベル」と呼ばれる複数の企業に分離され、 AT&T は長距離通信会社として再出発した。 この分割は通信業界の競争を促進し、後のインターネット普及や通信料金低下につながる大きな転換点となった。 3. 再統合と現在の AT&T 興味深いことに、分割された地域会社の一つである SBC Communications が 2005 年に旧 AT&T を買収し、社名を「 AT&T 」に変更した。現在の AT&T は、この SBC 系統の企業が母体となっている。 その後も積極的な買収戦略を展開し、 2018 年にはメディア大手の Time Warner を買収(...