URD
URD社(株式会社ユー・アール・ディー)とは?
電流センサを中心に、FA・省エネルギー分野を支える専門メーカー
1.会社概要
株式会社ユー・アール・ディー(U.R.D. Co., Ltd.)は、電流センサや電力関連機器の開発・製造・販売を行う日本の専門メーカーです。本社および製造部は神奈川県横浜市鶴見区に所在しています。
社名のURDは、「United
Research and Development」の頭文字に由来します。研究開発を重視する企業を目指して名付けられたもので、1973年9月の創業以来、電流を測定するセンサ技術を中心に事業を展開してきました。
同社の製品は、電気設備の電流監視、省エネルギー機器、産業用制御装置、電力計測システムなどに利用されます。一般的な電子部品メーカーが幅広い部品を扱うのに対し、URDは電流の検出・計測・変換に特化した製品群を持つ点が特徴です。
公式情報によると、同社は約600種類の標準電流センサを展開し、各種応用製品や顧客の仕様に合わせたカスタム製品の開発にも対応しています。
2.URD社の歴史
URDは1973年9月に設立されました。創業当初から研究開発を重視し、電流センサを中心とする製品の設計・製造に取り組んできた企業です。
同社の企業理念は「相互感謝の気持ち」です。顧客の要求に応える性能・品質・納期を重視し、独自技術による製品開発を通じて新しい市場を創造することを目指しています。
事業の中心となる電流センサは、電気設備の監視や制御に欠かせない部品です。工場の自動化が進み、設備の稼働状態を電気的に監視する必要性が高まる中で、電流を正確に検出する技術は重要性を増してきました。
URDは交流電流センサだけでなく、直流電流センサ、電流変換器、警報機器、電力計測機器などへ製品分野を広げています。さらに、バッテリーレス・ワイヤレス電流センサなど、従来の配線方式にとらわれない製品開発にも取り組んでいます。
なお、設立年や製品情報は公式資料で確認できますが、創業から現在までの詳細な年表については、公開されている企業情報だけでは把握できない部分もあります。
3.主力製品
URDの製品は、交流・直流の電流センサを中心に、警報機器、電流変換器、電力計測機器などに分類されます。ここではFA機器や産業設備での利用を想定して、主な製品を紹介します。
3-1.交流電流センサ
交流電流センサは、交流回路に流れる電流を検出するための部品です。モーター、ヒーター、電源装置、制御盤などの電流監視に利用されます。
URDでは、次のような製品群を展開しています。
- CTL汎用シリーズ:一般的な電流計測に使用する交流電流センサ
- CTL-Zシリーズ:精密計測を目的とした交流電流センサ
- 分割・クランプ型センサ:既設の電線を切断せずに取り付けやすい構造
- 高周波電流対応型CT:高周波成分を含む電流の計測に対応する製品
- 特殊センサ・空芯コイル:用途に応じた特殊な検出方式を採用する製品
プリント基板に取り付ける小型センサから、既設設備の電線に取り付けるクランプ型まで、用途に応じた選択肢があります。
3-2.直流電流センサ
直流電流センサは、直流回路の電流を検出するために使用します。
FA設備では、直流電源、サーボアンプ、バッテリー、搬送装置、制御機器などの電流監視に利用される可能性があります。
URDの主な製品群には、次のものがあります。
- 汎用直流電流センサ
- サーボ式直流電流センサ
- サーボ式分割型直流電流センサ
- 直流微小電流センサ
- 超小型直流微小電流センサ
- 電線クランプ型直流分割センサ
特にサーボ式のセンサは、磁気回路と電子回路を利用して電流を検出する方式です。一般的な磁気検出方式と比較して、用途によっては高い精度や直線性が求められる計測に適しています。ただし、実際の性能は各型番の仕様によって異なります。
3-3.警報機器
電流の異常を検知し、設備の監視に利用する製品群です。
- 通電・漏電検知モジュール
- 過電流警報器
- 断線警報器
例えば、モーターの電源回路やヒーター回路において、電流が流れているか、異常に大きな電流が流れていないか、回路が断線していないかを監視する用途が考えられます。
ただし、過電流警報器は必ずしも短絡保護用の遮断器と同じものではありません。設備の安全保護に使用する場合は、警報機器の仕様と保護装置の役割を区別する必要があります。
3-4.データ変換機器
電流センサから得られた信号を、計測装置や制御装置が扱いやすい信号に変換するための機器です。
URDでは、次のような電流変換器を扱っています。
- 平均値整流型電流変換器
- 実効値整流型電流変換器
- 実効値演算型電流変換器
交流電流の測定では、波形の違いによって測定値が変わる場合があります。平均値を基準に変換する方式と、実効値を演算する方式では、対応する波形や測定精度の考え方が異なります。
したがって、インバータやサーボアンプなど、電流波形が複雑になりやすい設備では、測定対象の波形と変換器の方式を確認することが重要です。
3-5.電力計測機器
URDは、超小型PTや汎用電力トランスデューサなどの電力計測関連製品も展開しています。
電流だけでなく、電圧などの情報を組み合わせることで、設備の電力使用状況を監視するシステムに利用できます。省エネルギー管理や設備の稼働状態の把握にも関係する分野です。
3-6.ワイヤレス電流センサ
URDの特徴的な製品の一つが、バッテリーレス・ワイヤレス電流センサです。
一般的な電流センサでは、検出信号を伝えるための配線や、場合によっては電源配線が必要になります。一方、ワイヤレス方式では、配線工事を減らせる可能性があります。
既設設備への後付けや、電流監視箇所が多い設備などでは、配線の簡略化がメリットになる場合があります。ただし、通信方式、設置環境、送信距離、受信機との互換性などを確認する必要があります。
4.FAとの関係
URDの電流センサは、FA設備における電流の検出、設備状態の監視、異常検知、省エネルギー管理などに関係する部品です。
FAでは、PLC、インバータ、サーボアンプ、モーター、電源装置、各種センサなどが連携して機械を動かします。これらの機器が正常に動作しているかを確認するには、電圧だけでなく電流を測定することも重要です。
例えば、次のような用途が考えられます。
モーターの稼働状態の監視
モーターに流れる電流を測定することで、運転状態の変化を把握できます。
通常運転時と比較して電流が大きくなった場合、機械的な負荷の増加、軸受の劣化、搬送物の詰まりなどが原因として考えられます。
ただし、電流値だけで故障原因を特定することはできません。機械の状態や振動、温度、運転条件などと合わせて判断する必要があります。
ヒーターの断線監視
工業用ヒーターでは、断線すると電流が流れなくなり、加熱できなくなることがあります。
電流センサで通電状態を監視することで、ヒーターの断線や通電異常を検出する仕組みに利用できます。
電源装置・制御盤の監視
制御盤内の電源回路や負荷回路に流れる電流を監視することで、設備の消費電流の変化を把握できます。
FA設備の保全では、正常時の電流値を記録しておき、異常発生時の値と比較する方法も考えられます。
省エネルギー管理
工場では、多数のモーターやポンプ、ファン、ヒーターなどが稼働しています。
電流センサや電力計測機器を利用して設備ごとの電力使用状況を把握することで、省エネルギー対策の検討に役立てられます。
このように、URDはPLCやサーボアンプそのものを製造するメーカーではありませんが、FA設備の電気的な状態を把握するための周辺部品・計測機器メーカーとして位置付けられます。
5.型番の見方
URDの製品には、CTLシリーズ、HCSシリーズ、CTTシリーズなど、複数の型番体系があります。
ただし、URDの型番はシリーズごとに構成が異なるため、型番の文字を一律に解釈することはできません。
ここでは、実際の製品選定で確認すべき項目を整理します。
CTLシリーズの例
URDの製品には、次のような型番が掲載されています。
- CTL-6-P-8
- CTL-6-S-8
- CTL-24CL
- CTL-36CL
- CTL-60CL
- CTL-100CL
これらは交流電流センサの製品例です。
「CTL」というシリーズ名だけで、定格電流、取付方法、出力仕様などを判断するのは危険です。後ろに続く数字や記号の意味は、必ず該当製品のデータシートやカタログで確認する必要があります。
型番確認で重要な項目
中古品や交換部品を選ぶ場合、次の項目を確認します。
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確認項目 |
確認する内容 |
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メーカー |
U.R.D.または株式会社ユー・アール・ディーであるか |
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型番 |
本体のラベルと仕様書が一致しているか |
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電流範囲 |
測定可能な電流値・定格電流 |
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交流・直流 |
対象となる電流の種類 |
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出力方式 |
電流出力、電圧出力など |
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電源 |
センサや変換器に必要な電源 |
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取付方法 |
基板取付型、クランプ型など |
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周波数特性 |
対応する周波数範囲 |
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絶縁仕様 |
一次側と二次側の絶縁に関する仕様 |
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外形寸法 |
設置スペースや取付穴との適合性 |
特に、交流用と直流用を取り違えないことが重要です。また、同じような外観のセンサでも、出力仕様や定格が異なる場合があります。
6.中古市場・保守部品でのポイント
FA機器の中古販売や修理部品の調達では、URD製品を見つける機会があるかもしれません。
ただし、電流センサは外観だけでは正常性を判断しにくい部品です。中古品を扱う際には、次の点に注意が必要です。
6-1.型番と仕様の一致を確認する
最初に、本体に記載されたメーカー名と型番を確認します。
同じCTLシリーズでも、定格電流、出力方式、寸法、精度などが異なる可能性があります。
代替品を選ぶ場合は、単に「同じシリーズだから使える」と判断せず、回路図や仕様書との照合が必要です。
6-2.外観を確認する
次のような状態がないかを確認します。
- ケースの割れ
- 端子の曲がりや破損
- 端子部分の腐食
- リード線の断線
- 取付部の破損
- 焼損や変色
- クランプ機構の異常
特にクランプ型センサでは、開閉機構や接触部分の状態も確認する必要があります。
6-3.電気的な検査を行う
電流センサは、製品の方式によって測定方法が異なります。
例えば、交流用CTと直流用センサでは、出力の仕組みや必要な電源が異なる場合があります。
検査では、仕様書に基づいて次のような項目を確認します。
- 端子間の導通
- 絶縁状態
- 電源電圧
- 出力信号
- 定格電流に対する出力
- 測定値の直線性
- 異常な発熱の有無
センサの種類によっては、二次側を開放した状態で使用してはいけないものがあります。 特にCT方式の製品では、検査方法を誤ると危険な電圧が発生する可能性があるため、必ずメーカーの仕様に従ってください。
6-4.代替品の選定に注意する
URD製品が生産終了になっている場合、後継機種や代替品を検討することになります。
URDの公式サイトには、性能改善や機種統合などの理由で保用品扱いとなった製品の一覧が掲載されています。生産終了品を調べる際は、こうした情報も確認するとよいでしょう。
ただし、後継機種が存在しても、寸法や出力方式が完全に同じとは限りません。FA設備の交換部品として使用する場合は、装置メーカーの回路図や技術資料を確認することが重要です。
7.URD社の製品を扱う際の実務的なポイント
URDの電流センサは、FA設備の内部や電源回路などに組み込まれている可能性があります。
中古FA機器の販売や修理では、次のような場面で役立つ製品です。
① 制御盤の部品調査
制御盤内のセンサを確認し、メーカー名と型番を記録します。
② 故障原因の切り分け
電流センサの出力異常なのか、センサに接続されている回路側の異常なのかを切り分けます。
③ 交換部品の選定
同一型番を探し、入手できない場合は仕様が一致する代替品を検討します。
④ 中古品の販売情報作成
商品説明では、メーカー、型番、用途、外観状態、動作確認の有無を明記します。
⑤ 仕様書の保管
電流センサは外観が似ていても仕様が異なることがあるため、データシートやカタログを保管しておくと、後の問い合わせ対応に役立ちます。
8.まとめ
URD社は、1973年に創業した日本の電流センサ専門メーカーです。交流・直流電流センサを中心に、警報機器、電流変換器、電力計測機器、ワイヤレス電流センサなどを展開しています。
FA分野では、モーターやヒーター、電源装置、制御盤などの電流監視に関係する製品として注目できます。
特に中古FA機器の保守では、電流センサの型番や仕様を正確に確認することが重要です。外観だけでなく、定格電流、出力方式、電源、取付方法、絶縁仕様などを調べることで、誤った部品交換を防ぎやすくなります。
URDの製品は、機械を直接動かすPLCやサーボアンプとは異なりますが、FA設備の状態を電気的に把握するための重要な計測・監視部品です。設備の省エネルギー化や予防保全の観点からも、電流センサの役割は今後も重要と考えられます。
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サプライチェーン情報
弊社の流通中古市場調査で、URD製の製品・部品は約4,000種類確認されています。
また互換・同等の製品・部品を供給している会社・ブランドは確認できませんでした。
上記のサプライチェーン情報は2026年 09月に調査した流通在庫データをベースにしていますので日時の経過によって変動いたします。
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