HYDRAULIC ACCUMULATOR DIVISION
Parker Hannifin「HYDRAULIC
ACCUMULATOR DIVISION」について
会社概要
「HYDRAULIC ACCUMULATOR
DIVISION(ハイドロリック・アキュムレーター・ディビジョン)」は、独立した会社名というより、米国の大手流体制御機器メーカーである Parker Hannifin
Corporation(パーカー・ハネフィン) の油圧アキュムレーター事業部門を指す名称です。
特に米国の中古産業機器、航空・軍需部品、NSN(National
Stock Number)などのデータベースでは、メーカー欄に
PARKER HANNIFIN CORPORATION DIV
HYDRAULIC ACCUMULATOR DIVISION
あるいは短縮して
HYDRAULIC ACCUMULATOR DIVISION
と記載されていることがあります。
実際、米国の部品情報では、Parker製油圧アキュムレーターのメーカーとして「Parker Hannifin Corporation DIV Hydraulic Accumulator Division」が登録されています。例えばA6R0347B1Kなどの型式がこの部門名で登録されています。
Parkerの資料では、この部門の所在地として Rockford,
Illinois, USA が記載されており、油圧アキュムレーターに関する製品カタログ、技術資料、メンテナンス資料などが長年発行されています。
つまり、中古部品の検索画面で「HYDRAULIC ACCUMULATOR
DIVISION」というメーカー名が出てきた場合、
Parker Hannifin製の油圧アキュムレーター関連製品
と考えるのが基本です。
歴史
Parker Hannifinは、1918年創業の米国企業で、長い歴史を持つモーション・コントロールおよび流体制御機器メーカーです。
現在では油圧、空圧、電気・機械制御、フィルター、シール、航空宇宙など非常に広い分野を扱っています。
その中で油圧アキュムレーターは、油圧システムの性能を左右する重要な製品群として発展してきました。
Parkerのアキュムレーター資料では、油圧と圧縮ガスを組み合わせた「ハイドロニューマチック・アキュムレーター」を基本技術としており、主な方式として、
- ピストン式
- ブラダー式
- ダイヤフラム式
を展開しています。
古いParkerのカタログにも「Hydraulic
Accumulator Division」の名称が明記されており、Rockford, Illinoisを拠点として製品展開を行っていたことが確認できます。つまり、この名称は最近作られたブランド名ではなく、長期間にわたってParkerのアキュムレーター事業を表してきた名称です。
現在のParkerの製品体系では、アキュムレーター関連製品がCylinder & Accumulator Divisionなどの組織体系の中でも扱われています。ParkerのeConfiguratorにも、Bladder
Accumulator、Crimped Piston Accumulators、Piston
Accumulatorsなどが掲載されています。
主力製品
Hydraulic Accumulator Divisionの中心となるのが、名前の通り 油圧アキュムレーター です。
アキュムレーターとは簡単にいうと、
油圧エネルギーを一時的に蓄えて、必要なときに放出する装置
です。
油圧ポンプだけでは瞬間的な大流量を供給することが難しい場合でも、あらかじめアキュムレーターにエネルギーを蓄えておけば、必要な瞬間に大きな流量を取り出せます。
Parkerでは、例えば以下のような用途を想定しています。
- ポンプ流量の補助
- 油圧エネルギーの蓄積
- 非常用動力源
- 圧力脈動の吸収
- 油圧ショックの吸収
- 漏れによる圧力低下の補償
- ポンプ容量の小型化
- 油圧システムの省エネルギー化
Parkerの技術資料でも、アキュムレーターを使ってポンプ流量を補助することで、油圧システムの構成部品や消費電力を削減できる事例が紹介されています。製鉄所の電気炉や取鍋精錬炉では、多数のアキュムレーターとガスボトルを組み合わせた大規模システムも採用されています。
アキュムレーターの基本構造
アキュムレーターの面白いところは、単なる「油圧タンク」ではないことです。
内部には油圧作動油と圧縮された窒素ガスが存在し、両者を隔離する構造になっています。
例えばブラダー式では、内部のゴム製ブラダーに窒素を封入します。
油圧側の圧力が上昇すると作動油がアキュムレーターへ入り、窒素を圧縮します。
反対に油圧回路の圧力が低下すると、圧縮されていた窒素が膨張し、ブラダーを押して作動油を油圧回路へ戻します。
したがって、
油圧エネルギー → 圧縮窒素 → 油圧エネルギー
というエネルギー変換が行われています。
Parkerの資料では、この動作を「予備充填→油圧流体の流入→最大圧力→圧力低下→作動油の放出」という段階に分けて説明しています。
主な3種類
1.ブラダー式
ブラダー(Bladder)というゴム製の袋を内部に使用します。
特徴は、
- 応答が速い
- 構造が比較的シンプル
- 汎用性が高い
- メンテナンスが可能
- 水系・低潤滑性流体にも対応しやすい
ことです。
Parkerでは小容量から大型まで幅広いシリーズを展開しており、資料では10 cu.in.から15
galまでの容量、最大6,600 psiクラスまでの製品が掲載されています。
2.ピストン式
シリンダー内部をピストンで区切り、一方に窒素、もう一方に作動油を入れる方式です。
特に、
- 大流量
- 大容量
- 高圧
- 高温・低温環境
- ガスボトルとの組み合わせ
などに適しています。
Parkerでは3,000、4,000、5,000
psiクラスのピストンアキュムレーターを展開していました。
3.ダイヤフラム式
柔軟なダイヤフラムによってガスと作動油を分離する方式です。
小型・軽量で、応答性が高いことが特徴です。
そのため、大容量を必要としない油圧回路や脈動吸収などに適しています。
FAとの関係
FA(Factory Automation)設備では、電動モーターとインバーターだけでなく、油圧・空圧を利用した機械も数多く存在します。
特に、
- プレス機
- 射出成形機
- 工作機械
- 鋼材加工設備
- 製鉄設備
- 建設機械
- 大型搬送装置
- 油圧クランプ
- 油圧シリンダー
- 油圧ブレーキ
などでは、アキュムレーターが重要な役割を果たします。
例えば油圧シリンダーを高速で動かす場合、ポンプだけで必要流量を供給しようとすると、ポンプ容量が非常に大きくなってしまいます。
そこでアキュムレーターにあらかじめエネルギーを蓄えておき、
低速・待機時 → ポンプで充填
高速動作時 → ポンプ+アキュムレーター
という運転を行えば、ポンプを小型化できます。
また、突然の停電やポンプ停止時に、アキュムレーターに蓄えた油圧エネルギーを利用して、装置を安全位置まで動かすこともできます。
このため、アキュムレーターは「油圧部品」というだけでなく、油圧システムのエネルギー管理装置と考えると分かりやすいでしょう。
型番の見方
Parkerのアキュムレーターは、製品シリーズによって型番体系が異なります。
例えばブラダー式では、
BA001B3T01A1
のような型番が使用されています。
Parkerの資料では、型番を構成する要素として、
BA / サイズ
/ 構造 / 圧力
/ ポート / 設計変更コード
などが使われています。
また、ピストン式ではシリーズ、ボア径、圧力、ポートなどによって型式が決まります。
ここで重要なのは、アキュムレーターの場合、外観が似ていても型番が違えば簡単に代替できないことです。
特に確認すべきなのは、
- 最大使用圧力
- 容量
- ブラダー/ピストンなどの方式
- ガス種
- 予備充填圧力
- 作動油
- 温度範囲
- シール材質
- 油圧ポート
- ASMEなどの認証
- CE対応
です。
Parkerの資料でも、アキュムレーターのサイズ選定では最大・最小圧力、予備充填圧力、放出・充填速度などを考慮する必要があるとされています。
中古市場・保守部品でのポイント
FA Straight Journalでこのメーカー名を扱う場合、ここが特に重要です。
中古市場では「HYDRAULIC ACCUMULATOR
DIVISION」が独立メーカーのように登録されている場合があります。
しかし、実際には Parker Hannifinの油圧アキュムレーター部門を示しているケースが多いため、検索時には、
HYDRAULIC ACCUMULATOR DIVISION
だけでなく、
PARKER
PARKER HANNIFIN
PARKER HYDRAULIC ACCUMULATOR
などを組み合わせて検索すると、かなり情報を見つけやすくなります。
さらに、米国のNSNデータベースでは、同じParker製品について複数のメーカー表記やCAGE Codeが存在することがあります。
例えば「A6R0347B1K」はParker
Hannifin Corporationのほか、「Parker Hannifin Corporation DIV
Hydraulic Accumulator Division」として登録されています。
したがって、Radwellなどの中古FA部品検索でメーカー名が「HYDRAULIC ACCUMULATOR DIVISION」と表示されても、別会社と判断してしまわないことが重要です。
また、アキュムレーターは単純な中古機械部品とは違い、内部に高圧の窒素を封入して使用する圧力容器です。
中古品を購入する場合には、
- 本体の腐食
- シェルの傷
- ブラダーの劣化
- ピストンシールの劣化
- ガスバルブの状態
- 予備充填圧力
- 圧力容器としての認証
- 製造年月
- 使用流体
- 過去の使用環境
などを確認する必要があります。
特に重要なのが**予備充填圧力(Precharge
Pressure)**です。
Parkerの資料では、ピストン式とブラダー式で推奨される予備充填条件も異なります。例えば選定資料では、ピストン式は最低圧力より100 psi低い値、ブラダー式では最低圧力の90%が目安として示されています。
保守・修理のポイント
アキュムレーターは定期的な予備充填圧力の確認が非常に重要です。
圧力が低下すると、設計された容量・応答特性を発揮できなくなります。
ピストン式ではシールの摩耗、ブラダー式ではブラダーの劣化が代表的な保守ポイントです。
Parkerでは交換用シールキットも用意されており、ピストン式ではボア径やシール材質ごとに部品番号が設定されています。
ただし、最も重要なのは安全です。
アキュムレーターには油圧だけでなく、高圧の窒素が蓄えられています。そのため、分解する前には油圧側・ガス側双方について、メーカー指定の手順に従って完全に圧力を抜く必要があります。
Parkerのメンテナンス資料でも、設備停止後に油圧をゼロにし、ガス予備充填圧力を解放してから作業する手順が示されています。
まとめ
「HYDRAULIC ACCUMULATOR
DIVISION」は、FA部品検索では一見すると独立したメーカー名に見えますが、基本的には Parker Hannifinの油圧アキュムレーター事業部門を示す名称として理解するのが適切です。
主力製品は、油圧エネルギーを圧縮窒素の形で一時的に蓄えるアキュムレーターで、ブラダー式、ピストン式、ダイヤフラム式などを展開してきました。
FA・産業設備では、油圧シリンダーの高速動作、ポンプ容量の補助、圧力脈動・油圧ショックの吸収、非常用油圧源など、非常に重要な役割を担います。
中古市場では、
HYDRAULIC ACCUMULATOR DIVISION
= Parker Hannifin系の油圧アキュムレーター
という関係を理解しておくと、部品検索やメーカー特定がかなり楽になります。
特にParkerの古いアキュムレーターは現在でも産業設備や特殊機械に残っている可能性があり、本体そのものだけでなく、ブラダー、シールキット、ガスバルブ、充填用アダプターなどの保守部品にも中古市場での需要があります。
![]()
サプライチェーン情報
弊社の流通中古市場調査で、HYDRAULIC
ACCUMULATOR DIVISION製の製品・部品は約5,000種類確認されています。
また互換・同等の製品・部品を供給している会社・ブランドは確認できませんでした。
上記のサプライチェーン情報は2026年 09月に調査した流通在庫データをベースにしていますので日時の経過によって変動いたします。
コメント
コメントを投稿