AUER
AUER(Auer
Signal GmbH)社について
1.会社概要
**Auer Signal GmbH(アウアー・シグナル)**は、オーストリアのウィーンに本社・生産拠点を置く、産業用信号機器メーカーです。1910年から信号機器の開発・設計・製造・販売を続けており、100年以上の歴史を持つ企業です。
主な製品は、
- 表示灯・信号灯
- LED回転灯・点滅灯
- ストロボライト
- 積層信号灯
- 電子サイレン
- ブザー
- 警報ホーン
- 音響・光学一体型警報器
- 防爆仕様の信号機器
などです。FA装置では、機械の運転状態、異常、警告、停止などを作業者へ知らせるために使用されます。
Auer Signalは現在、世界70カ国以上で製品を展開していると説明しており、開発・設計・試験を自社で行っています。
特に重要なのが「Made in Austria」です。Auer
Signalは、開発から製造までをオーストリア国内で行うことを特徴としており、ウィーンの生産拠点では年間200万点以上の部品を製造しています。
2.歴史
Auer Signalの歴史は1910年に始まります。
当初から現在まで、同社の中心にあるのは「機械や設備の状態を、人間にはっきり伝える」という信号技術です。
FAが現在ほど発達していなかった時代には、機械の状態を知らせるために機械式の表示器や電気式のランプ、ブザーなどが利用されていました。
その後、工場の自動化が進むにつれて、単純な「点灯・消灯」だけではなく、
正常
→ 注意 → 異常
→ 緊急停止
といった複数の状態を明確に区別する必要が生じました。
そこで信号灯、回転灯、点滅灯、積層信号灯、電子サイレンなどの重要性が高まっていきます。
Auer Signalは、この産業用信号機器という分野に専門特化してきたメーカーです。
現在は4代目のオーナー経営によるファミリー企業であることも同社の特徴です。
また、単に昔から同じ製品を作り続けているわけではありません。近年は生産設備への投資も続けており、電子基板の製造ではリフロー炉やAOI(自動光学検査)装置を導入しています。これによって、部品の実装状態、極性、はんだ品質などを自動的に検査しています。
これはFA機器メーカーとして見る場合にも興味深いところです。
3.主力製品
Auer Signalの製品は、大きく「光」「音」「光+音」「積層信号灯」に分けることができます。
① 信号灯・表示灯
最も基本的な製品群です。
赤、黄、緑、青などの光によって機械の状態を知らせます。
例えば、
緑=正常運転
黄=注意・待機
赤=異常・停止
というようにPLCから出力された信号を表示します。
現在はLED方式が中心で、常時点灯、点滅、フラッシュ、ストロボ、マルチカラーなど、多くの機能があります。
② Qシリーズ
QシリーズはAuer Signalを代表する大型の信号灯シリーズの一つです。
94mm、132mm、184mmの3サイズがあり、LEDタイプなどが用意されています。
高輝度LEDと特殊なレンズ設計によって、正面だけではなく側面からも見やすいことが特徴です。
また、IP66、IK09の仕様を持つ製品があり、工場や加工設備、船舶など比較的厳しい環境にも対応します。
③ Pシリーズ
Pシリーズは「The Tough」という名称が付けられている耐環境型の信号機器です。
粉じん、水、雨、温度変化などの厳しい環境を想定しています。
機械加工設備、屋外設備、建設機械など、通常の信号灯では厳しい環境で使用されることがあります。
Auer SignalはPシリーズについて、IP67やIP69クラスの高い保護性能を持つ製品を展開しています。
④ M22シリーズ
M22シリーズは、盤面取り付け型の信号機器として重要です。
直径30mm、45mm、65mmの3サイズがあり、LED表示灯やブザーなどが用意されています。
例えば制御盤の扉に取り付け、
「電源ON」
「運転中」
「異常」
「警報」
などを表示できます。
M22シリーズにはIP65、プリワイヤタイプではIP67などの仕様があります。
⑤ Aシリーズ
Aシリーズは主に多音色電子サイレンです。
モデルによって最大63種類の音色を選択でき、ASLやASMLでは最大120dBの音圧に対応します。
例えば、
- 異常発生
- 非常停止
- 装置起動
- 作業完了
- 危険状態
など、音の違いによって状態を区別することができます。
⑥ 積層信号灯
FAの現場で特に馴染み深いのが積層信号灯です。
複数の色のランプを縦方向に積み重ね、機械の状態を一目で確認できるようにします。
Auer SignalにはPC7、CT5などの積層信号灯シリーズがあり、表示灯だけでなくブザーや各種機能を組み合わせることができます。
4.FAとの関係
Auer Signalは、FAシステムの中では**「情報を人間へ伝える最後の部分」**を担当するメーカーと考えると分かりやすいでしょう。
例えば自動機を考えてみます。
PLCが機械を制御し、
↓
センサーが状態を検出し、
↓
PLCが異常を判断し、
↓
その結果をAuer Signalの信号灯やサイレンへ出力する
という構成です。
つまりAuer Signal自体がPLCのように機械全体を制御するわけではありません。
むしろ、
「機械の状態を人間に分かりやすく伝えるインターフェース」
という位置づけです。
これはFAにおいて非常に重要です。
完全自動化された工場であっても、人間が設備を監視・保守する以上、
「今、機械は正常なのか?」
「どこかで異常が発生したのか?」
「復旧作業が必要なのか?」
を瞬時に判断できなければなりません。
そのため、信号灯や警報器は地味に見えて、実は安全性に直接関係する重要な部品です。
Auer Signal自身も、信号機器を自動化技術、機械・プラント建設、建築設備、化学・石油化学、安全用途など幅広い産業で使用していると説明しています。
5.型番の見方
Auer Signal製品を中古市場や保守部品として扱う場合、メーカー名だけでは製品を特定できません。
例えばQシリーズでは、
QDS
QDM
QDL
などの型式があります。
Qシリーズの場合、QDS、QDM、QDLはサイズ違いに対応しており、94mm、132mm、184mmという構成になっています。
また、M22シリーズでは、
IBS、IBM、IBL
ISS、ICM、ICL
IDS、IML
など多数の型式があります。
したがって中古品を探す場合は、
AUER → シリーズ → 型番 → 電圧
→ 機能 → 取付方式
という順番で確認するのが安全です。
特に注意したいのが電源電圧です。
外観がほとんど同じでも、DC仕様とAC仕様、あるいは電圧違いが存在する場合があります。
また、単純な点灯タイプなのか、点滅・ストロボ・マルチカラータイプなのかによっても型式が異なります。
6.中古市場・保守部品でのポイント
Auer Signal製品は、機械そのものを制御するPLCやインバータと比較すると、構造は比較的単純です。
しかし、FA設備では長期間使用されることが多いため、保守部品としての需要があります。
中古品を扱う場合、特に確認したいのは以下です。
① レンズ・カバーの状態
ポリカーボネート製のレンズは耐衝撃性、耐候性に優れていますが、長期間使用すると、
- 黄変
- 傷
- ひび
- 白化
- 紫外線による劣化
などが発生する可能性があります。
② LEDの点灯状態
中古品では実際に電源を入れて、
- 全LEDが点灯するか
- 点滅するか
- 色が正しいか
- 異常なちらつきがないか
を確認した方がよいでしょう。
③ ブザー・サイレン
音響製品では、
- 音が正常に出るか
- 音量が低下していないか
- 選択した音色が正常か
- 外部入力による切り替えが正常か
などを確認します。
④ 端子・コネクタ
信号機器では端子部分の接触不良も重要です。
特に中古FA機器では、
端子の腐食 → 接触抵抗増加 → 信号が不安定
というトラブルが考えられます。
また、振動の大きい機械では配線の断線や端子の緩みも確認する必要があります。
7.Auer SignalをFA部品として見るポイント
Auer Signalの面白いところは、**「古典的な信号灯メーカーでありながら、電子化・デジタル化にも対応している」**ことです。
現在の製品には高輝度LED、マルチカラー、マルチファンクション、スマート信号機器などが登場しています。
一方で、従来型のブザー、サイレン、回転灯、積層信号灯なども幅広く残っています。製品一覧を見ると、R、Q、P、M22、N、T+U、Gなど、多数のシリーズが現在も展開されています。
つまりAuer Signalは、
「機械の状態を光と音で伝える」という100年以上変わらない基本機能を、LED、電子制御、IoT時代に合わせて進化させている会社
と見ることができます。
また、同社は標準品だけでなく、顧客専用の信号機器も開発しています。配線、コネクタ、取り付け方法、製品デザインまで変更でき、完全なカスタム設計にも対応しています。実際にクレーンメーカー向けに防水性・耐候性を高めた特別仕様を開発した事例も公開されています。
まとめ
Auer Signal GmbHは、1910年創業のオーストリアの産業用信号機器メーカーです。
主力製品は、
信号灯・LED表示灯・積層信号灯・電子サイレン・ブザー・警報器
などであり、FA、自動機、工作機械、プラント、建設機械、クレーンなど、機械の状態を人間へ知らせる必要がある場所で使用されています。
特にAuer Signalの強みは、単なる「ランプメーカー」ではなく、光学・音響・電子回路・機械設計を組み合わせた産業用信号システムメーカーであることです。
また、開発から製造までをオーストリア国内で行い、リフロー炉やAOIなどの生産技術も導入しています。
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サプライチェーン情報
弊社の流通中古市場調査で、AUER製の製品・部品は約5,000種類確認されています。
また互換・同等の製品・部品を供給している会社・ブランドは確認できませんでした。
上記のサプライチェーン情報は2026年 09月に調査した流通在庫データをベースにしていますので日時の経過によって変動いたします。
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