ASG
ASG社――精密ねじ締め技術を核にFA・組立自動化を支える米国メーカー
会社概要
ASG社は、米国を中心に産業用組立工具および組立自動化システムを提供しているメーカーです。本社は米国オハイオ州クリーブランドにあり、1976年から組立分野で事業を展開しています。現在はJergens, Inc.の事業部門として、産業用ねじ締め工具、トルク管理システム、精密締結システム、作業台、ねじ供給装置、ロボットを利用した自動組立設備など、幅広い製品・ソリューションを提供しています。
ASGの事業は大きく「ASG Express」「Precision
Fastening」「Automation」という3つの領域に分けることができます。ASG Expressでは産業用電動ドライバー、空圧工具、トルクテスター、ビットなど、現場で使用する組立工具を扱います。
Precision Fasteningでは、より高度なトルク管理が必要となる製造工程向けに、電動ねじ締め工具とコントローラーなどを提供しています。そしてAutomationでは、これらの締結技術をロボットや自動機と組み合わせ、半自動・全自動の組立セルへ発展させています。
ASGの特徴は、単純な「工具メーカー」にとどまらず、ねじ締めという一つの工程を自動化設備全体へ発展させていることにあります。
歴史
ASGのルーツは1970年代にさかのぼります。親会社であるJergensは、1970年代に日本のHIOS製トルクコントロールドライバーを北米市場へ販売する代理店となりました。
HIOSは精密なねじ締め工具で知られており、ASGは長年にわたってHIOS製品を北米市場へ供給してきました。現在でもASGは北米におけるHIOS Premier Providerとして、HIOSの電動ドライバー、ビット、トルクメーターなどを取り扱っています。
その後、ASGは単なる販売会社から、より高度な締結技術を持つメーカーへと事業を拡大します。
大きな転換点となったのが2010年です。この年、ASGは精密トルク・角度管理型DC電動締結システムを製造していたMicroTorq, LLCを買収しました。
この技術をもとに開発された製品ブランドがX-PAQです。X-PAQはPrecision、Accuracy、Qualityの頭文字を組み合わせた名称で、ASGのPrecision Fastening事業を代表する製品群となっています。
現在ではX-PAQシリーズやSD2500シリーズのトランスデューサー付きDC電動ドライバー、各種コントローラーなどをASG自身が設計・製造しています。
つまりASGは、
日本製工具の北米販売 → 組立工具の総合メーカー → 精密締結システムメーカー → 組立自動化メーカー
という形で事業領域を拡大してきた企業と見ることができます。
主力製品
ASGの製品を理解するうえで重要なのが「ねじ締め」です。
製造現場では、ねじを締めればよいというわけではありません。締付トルクが不足すれば部品が緩み、逆に締めすぎればねじや部品を破損する可能性があります。
そのため自動車、電子機器、産業機械などでは、指定されたトルクで正確に締め付けることが重要になります。
ASGのPrecision Fastening製品には、X-PAQシリーズやSD2500シリーズなどの電動ねじ締めシステムがあります。これらは単純にモーターを回すだけではなく、トルクを管理しながら締結作業を行うことを目的としています。
さらにASGでは、ねじ締め作業の順番やトルク、回転数などを管理するシステムも提供しています。
代表例の一つがNav-Pです。これは視覚的な作業手順案内と精密締結システムを組み合わせ、正しい締付トルク、締付順序、回転数などを管理するためのシステムです。作業者による組立ミスを減らし、製造工程の品質を安定させることを目的としています。
また、ねじを自動的に供給するオートフィード式のねじ供給装置、トルクアーム、空圧ドライバー、電動ドライバーなどもラインアップされています。
FAとの関係
ASGはFA分野との関係が非常に深い企業です。
特に重要なのがAutomation事業です。
ASG Automationは、ロボットを利用した自動組立システムを設計・製造するA3認定ロボットインテグレーターです。標準化された装置だけではなく、ユーザーの生産工程に合わせたカスタム設備も設計しています。
例えばAXシリーズでは、ロボット、ねじ供給装置、電動ドライバーなどを組み合わせた自動ねじ締めシステムを構築できます。
AX-03ではねじ供給システムとロボットを組み合わせることができ、AX-10、AX-15ではテーブルトップ型ロボットシステム、さらにAX-20、AX-30、AX-40では比較的大きな組立品に対応する組立セルを構築できます。コンベヤやターンテーブルなどを組み込むことも可能です。
さらに、顧客専用の「Engineered to Order」システムにも対応しています。
そこではロボット、ガントリー、ターンテーブル、コンベヤ、部品供給装置、ディスペンサー、ラベラー、リベッター、はんだ付け装置、画像処理装置などを組み合わせることができます。
このためASGは、FAストレート・ジャーナルの観点では、**「精密ねじ締め技術を中心に、ロボット・センサー・制御・搬送を組み合わせた組立FAメーカー」**として見ると分かりやすいでしょう。
型番の見方
ASG製品を中古市場で調査する場合、注意したいのが型番とシリーズ名です。
ASGでは製品カテゴリーごとにブランド・シリーズが分かれており、例えば精密締結システムではX-PAQ、電動ドライバーではSD2500 Series、自動化設備ではAXシリーズなどがあります。
特にX-PAQの場合、ドライバー本体だけでなく、コントローラー、トルクアーム、ケーブル、各種アクセサリーなどを組み合わせてシステムを構成します。
そのため中古品を調査する際には、
本体型番だけでなく、コントローラー型番、電源仕様、ケーブル、トルクレンジ、対応アクセサリー
まで確認することが重要です。
また、同じように見える電動ドライバーでも、対応するコントローラーや通信方式が異なる場合があります。
FA中古市場では「ドライバー本体だけ入手したが、対応コントローラーがない」というケースも考えられます。そのため、単品価格だけではなく、システムとして使用可能かどうかを確認する必要があります。
中古市場・保守部品でのポイント
ASG製品は、一般的な手工具とは異なり、製造ラインの品質管理に直接関係する製品が多い点が特徴です。
特に精密電動ドライバーやトルクコントローラーでは、長期間使用するとモーター、スイッチ、ケーブル、コネクタ、センサーなどの劣化が考えられます。
また、トルク管理機器については、単純に動作するだけでは十分ではありません。
例えば中古の電動ドライバーが「回転する」ことを確認できても、実際に設定されたトルクで正確に締め付けられるとは限りません。
したがって中古品の検査では、
- 電源投入
- エラー表示の確認
- 正転・逆転動作
- 回転数
- トルク設定
- トルク検出
- コントローラーとの通信
- ケーブル・コネクタの状態
- トルク校正の状態
などを確認する必要があります。
特にトルク管理については、専用のトルクテスターなどを使用した確認が望まれます。
ASG Automationの設備についても、ロボット、ドライバー、ねじ供給装置、画像処理、コンベヤ、PLCなど複数の機器で構成されるため、中古設備を扱う場合は「ASG製品だから全部ASG製」と考えないことが重要です。
実際の設備では、ロボットや制御機器などに他社製品が組み込まれている可能性があります。
そのため、装置全体を購入した場合には、
ASG製品
→ ロボット → PLC → センサー → サーボ → コンベヤ → 安全機器
というように、構成機器を一つずつ確認すると保守性を判断しやすくなります。
まとめ
ASGは、1970年代から産業用組立分野に携わってきた米国企業であり、現在はJergensの事業部門として、組立工具から精密締結システム、さらにFA・ロボットによる自動組立設備まで事業を広げています。
特に重要なのは、ASGが単なる電動ドライバーメーカーではないという点です。
「ねじを正確に締める技術」
を出発点として、
トルク管理 → 締結品質管理 → ねじ供給 → ロボット → 自動組立セル → 生産ライン
へと技術領域を広げています。
FA中古市場では、X-PAQ、SD2500シリーズなどの精密締結製品だけでなく、AXシリーズをはじめとした自動組立システムも重要な対象となります。
特に中古品・保守部品を扱う場合には、型番だけで判断せず、コントローラーやケーブル、ソフトウェア、周辺機器との組み合わせまで確認することが重要です。
ASGは、**「組立工程を自動化するための締結技術」**を得意とするメーカーであり、自動車、電子機器、産業機械など、ねじ締結の品質が重要な製造現場で注目できる企業です。
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サプライチェーン情報
弊社の流通中古市場調査で、ASG製の製品・部品は約6,000種類確認されています。
また互換・同等の製品・部品を供給している主な会社・ブランドは確認できませんでした。
上記のサプライチェーン情報は2026年 09月に調査した流通在庫データをベースにしていますので日時の経過によって変動いたします。
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