APOLLO VALVES
APOLLO VALVES社とは――90年以上の歴史を持つ米国の流体制御バルブメーカー
APOLLO VALVES(アポロ・バルブ)は、米国を代表する流体制御機器メーカーの一つで、特にボールバルブ、バタフライバルブ、安全弁、逆流防止装置、減圧弁、チェックバルブ、アクチュエータなどを幅広く展開している企業です。
現在のApolloブランドのルーツは、1928年に米国デトロイトで設立されたConsolidated Brass Companyにまでさかのぼります。同社はその後「Conbraco Industries」という名称で事業を発展させ、2005年には製品を「Apollo Valves」ブランドに統合しました。さらに2010年、オランダ系のグローバル企業であるAalbertsがConbraco
Industriesを買収しています。現在はAalberts integrated piping systemsの事業・ブランドとしてApolloが展開されています。
つまり、現在「Apollo Valves」と呼ばれている製品は、単純に新しく作られたブランドではありません。1928年から続くConbracoの製造技術を背景にしたブランドと考えると、その位置付けが分かりやすいでしょう。
1.Apollo Valvesの歴史
Apolloの歴史で特に重要なのが、1968年にApollo
Series 70ボールバルブを市場投入したことです。
当時のボールバルブは、流体を比較的簡単かつ確実に遮断できることから、産業設備や配管設備において重要性を増していました。
Apolloはこの分野に力を入れ、Series 70を中心として製品を発展させました。その後、材質、サイズ、用途などを拡大し、Apolloのボールバルブは同社を代表する製品へと成長していきます。
その後の主な流れを簡単に整理すると、
- 1928年:Consolidated
Brass Company設立
- 1950年代:製造拠点を米国カロライナ地域へ移転
- 1968年:Apollo
Series 70ボールバルブを発売
- 1974年:社名をConbraco
Industriesへ変更
- 1980年代以降:鋳造・製造設備を拡充
- 2005年:製品ブランドをApollo Valvesへ統合
- 2010年:AalbertsがConbraco
Industriesを買収
- 現在:Aalberts
integrated piping systemsのApolloブランドとして展開
という歴史になります。
90年以上にわたって流体制御機器を製造してきたことは、Apollo Valvesを理解するうえで重要なポイントです。
2.主力製品はボールバルブ
Apollo Valvesを調べる場合、まず注目したいのがボールバルブです。
ボールバルブは、内部に穴の開いた球状の弁体を持ち、その球を90度程度回転させることで流路を開閉します。
全開時には流体の流れを比較的妨げにくく、また構造が比較的シンプルで、確実な遮断が可能です。
そのため、
- 工場の配管
- 空調設備
- ボイラー設備
- 給水設備
- 石油・ガス関連設備
- 化学プラント
- OEM装置
- 水処理設備
など、非常に幅広い用途があります。
Apolloでは、一般的な真鍮・青銅系の製品だけでなく、ステンレス鋼、炭素鋼、特殊合金などを使用した製品もラインアップしています。用途に応じて材質や圧力定格、接続方式などを選択できる点が特徴です。
3.バタフライバルブ
Apolloのもう一つの重要製品がバタフライバルブです。
バタフライバルブは、円盤状の弁体を回転させて流路を開閉する方式です。
ボールバルブと比較すると、大口径配管に適しており、重量や設置スペースを抑えやすいという特徴があります。
そのため、
- HVAC
- 冷却水
- 給排水
- 消防設備
- 工業用配管
- 水処理設備
などで利用されます。
Apolloでは手動式だけでなく、アクチュエータと組み合わせた自動操作にも対応しています。
FA設備では「バルブ単体」ではなく、
バルブ+アクチュエータ+制御機器
という組み合わせで使用されるケースがあるため、産業機械の保守部品としてApolloを調べる際には、この点も重要です。
4.安全弁・リリーフバルブ
Apolloは単なる開閉弁メーカーではありません。
重要な製品群として、**Safety Relief Valve(安全リリーフバルブ)**があります。
配管やタンク、ボイラーなどでは、内部圧力が異常に上昇すると設備そのものが破損する可能性があります。
安全弁は、あらかじめ設定された圧力に達した場合に弁を開き、流体を逃がすことで設備を保護します。
Apolloでは、
- 空気・ガス用
- 蒸気用
- 水・温水用
- 液体用
- 真空関連
など、用途に応じた製品が用意されています。
このため、Apollo製品は一般的な工場配管だけでなく、ボイラー、暖房設備、圧力設備などの安全保護にも関係しています。
5.逆流防止装置
Apolloの特徴的な製品として、**Backflow Preventer(逆流防止装置)**も挙げられます。
給水設備などでは、通常は水が一方向に流れます。しかし何らかの原因で圧力関係が逆転すると、汚染された水などが給水側へ逆流する危険があります。
そこで使用されるのが逆流防止装置です。
Apolloでは、
- Dual Check
- Double Check
- Reduced Pressure Principle
- Detector Assembly
- Vacuum Breaker
など、さまざまな逆流防止関連製品を展開しています。
この分野は、工場だけでなく、ビル、住宅、消防設備、給水設備などにも関係します。
6.減圧弁・制御弁
配管システムでは、単純に「流す・止める」だけではなく、圧力や流量を適切に制御することも重要です。
Apolloには、
- Pressure Reducing Valve
- Automatic Control Valve
- Pressure Sustaining Valve
- Differential Control Valve
- Solenoid Control
- Flow Control
- Float Control
などの製品があります。
例えば工場の給水設備では、供給側の圧力が高すぎる場合があります。
そのまま機器へ供給すると装置の仕様を超えてしまう可能性があるため、減圧弁などを使用して適切な圧力に調整します。
このようにApolloの製品群は、配管システム全体を制御するための機器へ広がっています。
7.アクチュエータによる自動化
FA・産業機械の視点で見ると、Apolloの製品で特に興味深いのがバルブアクチュエータです。
手動ハンドルを人間が回すのではなく、空圧や電動によってバルブを操作できます。
Apolloでは、
- Pneumatic Rack & Pinion Actuator
- Electric Actuator
- Actuator Accessories
などが展開されています。
例えばPLCから信号を出して、
PLC → 電磁弁
→ 空圧アクチュエータ → バルブ
という構成にすれば、工場の配管を自動的に開閉できます。
これはFA設備との親和性が非常に高い部分です。
8.さまざまな産業分野で利用される
Apollo製品の用途はかなり広く、
化学、石油・ガス、紙・パルプ、上下水道、HVAC、建築設備、消防、OEM、灌漑、一般産業設備
など、多数の分野に及びます。
特に「流体を扱う設備」であれば、Apolloの製品が使用されている可能性があります。
FA設備の場合も、
- エアー
- 水
- 冷却水
- 蒸気
- ガス
- 油
- 薬液
などを扱う設備では、バルブは非常に重要な部品になります。
9.「Made in USA」もApolloの特徴
Apollo Valvesを語る際に見逃せないのが、米国での製造です。
ApolloのルーツであるConbracoは、米国サウスカロライナ州などに製造・鋳造拠点を展開してきました。現在もApolloブランドの製造は米国拠点を中心に行われています。Aalbertsの公式説明によれば、現在Apolloブランドはサウスカロライナ州の3拠点で製造されています。
また、同社は製造工程を比較的広範囲に管理する垂直統合型の製造体制を特徴としてきました。
鋳造、加工、組立、検査などを自社の製造体制の中で管理することによって、品質や供給の安定性を高めるという考え方です。
10.Apollo Valvesを中古・保守部品として見る場合
FA機器の修理・中古部品という観点では、Apollo Valvesはなかなか面白いメーカーです。
バルブは設備に組み込まれると、10年、20年以上使用されることも珍しくありません。
そのため、現在は製造終了となった旧型バルブでも、工場設備の中で現役で使用されている場合があります。
中古市場や保守部品を探す場合には、単純に
「Apollo
ball valve」
だけで検索するのではなく、
- MODEL
- SERIES
- SIZE
- MATERIAL
- PRESSURE CLASS
- CONNECTION
- BODY
- SEAT
- STEM
- ACTUATOR
- DATE CODE
などを確認することが重要です。
特にApolloの場合、外観が似ていてもシリーズや材質、圧力定格が異なる製品があります。
したがって、交換部品を選ぶ際には、バルブ本体に刻印されている型式・シリーズ番号・サイズ・材質などを確認することが非常に重要です。
11.Apollo Valvesの現在の位置付け
現在のApollo Valvesは、独立した昔ながらの「Conbraco Industries」という会社だけを見るよりも、Aalberts integrated piping
systemsのApolloブランドとして理解するのが適切です。
Aalbertsはバルブや配管接続技術を扱うグローバル企業であり、Apolloはその中で重要な流体制御ブランドの一つになっています。
つまり、
Consolidated Brass Company
↓
Conbraco Industries
↓
Apollo Valves
↓
Aalberts integrated piping systems
という流れで現在につながっています。
まとめ
APOLLO VALVESは、米国で1928年に始まったConsolidated
Brass Companyをルーツとする、90年以上の歴史を持つ流体制御機器ブランドです。
特に1968年に登場したApollo
Series 70ボールバルブをきっかけに、ボールバルブメーカーとして存在感を高め、その後、
- ボールバルブ
- バタフライバルブ
- チェックバルブ
- 安全弁
- 減圧弁
- 自動制御弁
- 逆流防止装置
- 混合弁
- ストレーナ
- アクチュエータ
- 各種配管機器
へと製品範囲を拡大してきました。
特に産業設備の観点から見ると、Apolloは単なる「配管用バルブメーカー」ではなく、流体を止める、流す、圧力を調整する、安全を確保する、そして自動制御するための総合的な流体制御メーカーと位置付けることができます。
FA設備、ボイラー、HVAC、給水設備、消防設備、化学プラント、石油・ガス設備など、流体を扱う設備では非常に重要な存在です。
また、中古FA機器や保守部品を扱う場合には、Apolloの製品は比較的長期間使用されている可能性があるため、旧型製品の型式・シリーズ・サイズ・材質を正確に読み取ることが、交換部品を探すうえで重要なポイントになります。
現在のApolloブランドはAalberts
integrated piping systemsの一部として展開されていますが、「Made in USA」を背景とするConbraco時代からの製造技術とブランドの歴史が現在にも引き継がれていることが、Apollo
Valvesの大きな特徴と言えるでしょう。
なお、APL Apollo(インドの鉄鋼・鋼管メーカー)とは別会社です。社名が似ているため、部品検索や企業調査では混同しないよう注意が必要です。
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サプライチェーン情報
弊社の流通中古市場調査で、APOLLO
VALVES製の製品・部品は約5,000種類確認されています。
また互換・同等の製品・部品を供給している主な会社・ブランドと種類数は以下のとおりです。
会社・ブランドは確認できませんでした。
上記のサプライチェーン情報は2026年 09月に調査した流通在庫データをベースにしていますので日時の経過によって変動いたします。
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