CHEROKEE INTERNATIONAL
CHEROKEE INTERNATIONAL社の概要
Cherokee International(チェロキー・インターナショナル)社は、アメリカ合衆国カリフォルニア州に本拠を置き、主に 産業用・通信機器向けの高効率電源装置(スイッチング電源、電源モジュール) を開発・製造してきた企業です。特に、通信インフラ、データセンター、医療機器、産業機械といった「電力の安定供給が不可欠な分野」に強みを持ち、1990年代から2000年代にかけて世界的に高い評価を得ました。
同社の製品は「高信頼性・高効率・カスタム対応」を特徴としており、標準電源の供給だけでなく、顧客の要求に応じて設計を柔軟に変更する「カスタム電源ソリューション」に特化していました。そのため、大規模通信事業者やIT機器メーカーにとっては、Cherokeeは「標準品メーカーでは満たせない要求を実現してくれる電源パートナー」として位置づけられていました。
歴史的背景と沿革
Cherokee Internationalは1980年代に創業され、当初はアメリカ国内の産業機械メーカーや通信インフラ向けに電源装置を供給していました。その後、次のような発展を遂げています。
- 1980年代後半:産業用スイッチング電源の需要拡大に伴い、北米市場での販売を拡大。
- 1990年代:インターネット普及により通信事業者やデータセンター需要が急増し、Cherokeeはカスタム電源設計力を武器に成長。特に米国大手通信企業の基地局やサーバ向けに採用が広がる。
- 2000年代:欧州・アジア市場にも進出。グローバルなサプライチェーンを構築し、通信インフラ用のDC-DCコンバータ、AC-DC電源ユニットを広く展開。
- 2007年:フロリダに本拠を置く電源大手
Lineage Power に買収される。Lineage Power自体は通信機器大手Lucent Technologies(現在のNokia
Networksの一部)にルーツを持つ企業で、買収後は「通信インフラ向け電源の専門部隊」として組み込まれる。
- 2011年:Lineage
Powerが General Electric(GE)Energy部門 に買収され、Cherokee Internationalの技術はGE Energy Industrial
Solutionsの一部として継承される。
- 現在:Cherokeeブランドとしては独立して存在していないが、同社が築いた「高効率カスタム電源」の設計哲学は、GEの産業用電源製品群、さらには後継となるABBやその他の電源メーカーに受け継がれています。
製品と技術
Cherokee Internationalの主力製品は以下の通りでした。
1. AC-DCスイッチング電源
- 通信機器、サーバ、ストレージシステム向けの高効率電源ユニット。
- 高密度実装を可能にし、ラックマウントサーバや基地局装置に組み込まれた。
- 効率90%以上を達成するモデルもあり、当時の省エネ要求に応えるものであった。
2. DC-DCコンバータ
- 基地局の直流配電システムや産業用機器向けに提供。
- 広入力範囲、低ノイズ、高信頼性を特徴とし、5Vや12Vなどの安定電源供給を担った。
3. カスタム電源ソリューション
- 顧客の設計要求に合わせた専用設計。
- 特殊な出力電圧仕様、多出力設計、冗長化対応など。
- 特に医療機器向けや軍需・航空宇宙分野でも利用された。
技術的特徴
- 高効率設計
スイッチング素子や回路設計の最適化により、当時業界最高クラスの電力変換効率を実現。結果として、発熱が低減し、システム全体の冷却コスト削減に貢献した。 - 高信頼性
MTBF(平均故障間隔)が非常に高く、24時間稼働が前提となる通信インフラ用途に耐えうる品質を確保。 - 柔軟なカスタマイズ性
標準品を持ちながらも、顧客の設計段階から技術者が参加し、専用電源を設計・供給する体制を整えていた。 - 国際規格対応
UL、CE、CSAなどの安全規格を取得し、グローバル市場への供給を可能にした。特に通信分野ではNEBS(Network Equipment-Building System)規格への適合が重視された。
主な市場と応用分野
- 通信インフラ:携帯電話基地局、光伝送装置、データセンター用サーバラック
- IT機器:ストレージシステム、ネットワーク機器
- 産業機械:FA機器、制御盤用電源
- 医療機器:検査装置、患者監視システム
- 軍需・航空宇宙:特殊規格に準拠した電源ユニット
GEへの統合とその後
Cherokee Internationalは2007年にLineage
Powerに買収されましたが、Lineage Power自体が通信電源の世界的リーダー企業であったため、Cherokeeの技術は主に 「カスタム電源設計力」 として吸収されました。その後、GE Energyに統合され、さらに近年はABBなど他の産業用大手に移管されつつあります。
Cherokeeブランドそのものは姿を消しましたが、今日の産業用・通信インフラ用電源の分野では、その技術的遺産が活かされており、「カスタム電源の先駆者」 としての存在意義は大きいと言えます。
日本市場での位置づけ
日本国内でも通信キャリアや大手電機メーカーを通じてCherokeeの電源が導入されました。特に2000年代前半、データセンターの拡張や携帯電話基地局の急増に伴い、Cherokee製の高効率電源が多く採用されました。大手国内電源メーカー(TDKラムダ、コーセル、明電舎など)と比較すると規模は小さいものの、「特殊仕様に応じた柔軟対応」に強みがありました。
まとめ
Cherokee International社は、1980年代から2000年代にかけて、アメリカを代表する電源装置メーカーのひとつとして活躍しました。
- 通信・ITインフラ分野に特化した高効率電源の供給
- 顧客のニーズに応えるカスタム電源設計力
- 高信頼性と国際規格対応によるグローバル展開
2007年にLineage Power、さらにGE
Energyへと統合されたため独立ブランドは消滅しましたが、その技術は今も通信インフラや産業用電源の分野で息づいています。Cherokeeは「ただの電源メーカー」ではなく、顧客と共に設計するカスタム電源ソリューションのパイオニアとして位置づけられる企業だったといえるでしょう。
![]()
サプライチェーン情報
弊社の流通中古市場調査で、CHEROKEE
INTERNATIONAL製の製品・部品は約120種類確認されています。
また互換・同等の製品・部品を供給している会社・ブランドは確認できませんでした。
上記のサプライチェーン情報は2025年 12月に調査した流通在庫データをベースにしていますので日時の経過によって変動いたします。
コメント
コメントを投稿