GOODMAN

 

GOODMAN社(Goodman Group――物流施設とデータセンターでデジタル社会を支える企業

はじめに

GOODMAN社と聞くと、日本ではアメリカの空調機器メーカー「Goodman Manufacturing」を思い浮かべる人も多いかもしれません。しかし、世界の産業・物流・ITインフラの分野で「Goodman」といえば、オーストラリアを本拠地とする Goodman Group(グッドマン・グループ) も非常に重要な企業です。

Goodman Groupは、物流施設、倉庫、工業施設、ビジネスパーク、データセンターなどを開発・保有・運営する世界的な不動産グループです。特に近年は、電子商取引(EC)の拡大、物流の高度化、クラウドコンピューティング、AIの急速な普及を背景として、データセンターや物流施設への投資を積極的に進めています。

同社自身も「デジタル経済を支える重要インフラ」を提供する企業と位置付けており、単なる不動産会社ではなく、現代の産業活動を支えるインフラ企業へと進化しています。

Goodman Groupとは

Goodman Groupはオーストラリアを代表する上場企業の一つで、オーストラリア証券取引所(ASX)に上場しています。

事業の中心は、企業が商品を保管・配送するための物流施設や倉庫、製造・流通関連施設、そして近年急速に重要性が高まっているデータセンターです。

同社の事業地域は非常に広く、オーストラリア、ニュージーランド、アジア、ヨーロッパ、イギリス、アメリカなど、世界の主要な消費市場に展開しています。

Goodmanの特徴は、単に完成した建物を購入して貸し出すだけではないことです。

土地の選定、施設の企画、設計、建設、運営、資産管理までを一貫して手掛けています。このため、顧客企業の事業内容や物流量、必要な電力、交通アクセスなどを考慮した施設を作ることができます。

物流施設がGoodmanの重要な事業

Goodman Groupを理解するうえで重要なのが「物流」です。

AmazonなどのEC企業をはじめ、多くの企業がインターネットを利用した販売を拡大しています。消費者がオンラインで商品を注文すると、その商品を保管し、仕分けし、配送するための巨大な物流ネットワークが必要になります。

その中心となるのが物流センターや大型倉庫です。

Goodmanはこうした施設を主要都市の近郊に開発しています。

物流施設では、単に広い建物を作ればよいわけではありません。高速道路、港湾、空港、鉄道などへのアクセスが重要です。また、人口の多い都市に近ければ、商品を消費者へ短時間で配送できます。

そのためGoodmanは、消費地に近く、交通アクセスに優れた場所に物流施設を配置することを重視しています。

これはFA業界とも深い関係があります。

現代の物流センターでは、コンベヤ、搬送ロボット、自動倉庫、画像認識装置、バーコードリーダー、PLC、サーボモーター、センサーなど、非常に多くのFA機器が使用されています。

つまりGoodmanが提供する「建物」の中には、実際には高度な自動化設備が組み込まれた巨大なFAシステムが存在しているのです。

データセンター事業への進出

現在、Goodman Groupが特に注目されている理由の一つがデータセンターです。

クラウドサービス、動画配信、スマートフォン、オンラインゲーム、生成AIなどの普及によって、世界中でデータ処理量が急増しています。

特に2020年代に入ってからはAIの発展が著しく、AIモデルの学習や推論には大量のコンピューターと電力が必要になっています。

そのため、AI時代の産業インフラとしてデータセンターの重要性が急速に高まっています。

Goodman Groupもこの変化を捉え、データセンター関連施設を重要な成長分野として位置付けています。現在の同社は、物流施設だけではなく、データセンターを含む「デジタルインフラ」の提供企業へと事業領域を広げています。

データセンターとFA技術

データセンターは、一見するとFA業界とは関係がないように見えます。

しかし実際には、非常に高度な自動化技術の集合体です。

サーバーを安定して稼働させるためには、温度、湿度、電力、空調、冷却水、照明、防災設備、入退室管理などを24時間監視する必要があります。

ここでは、

・温度センサー
・湿度センサー
・流量センサー
・圧力センサー
・電力計測機器
PLC
・インバーター
・サーボシステム
・空調制御システム
・監視システム
・産業用ネットワーク

など、FA分野で使用されている技術が大量に利用されます。

特にAI向けデータセンターでは、従来以上に電力と冷却能力が重要になります。

そのため今後は、データセンター建設そのものが、電気設備、空調設備、制御機器、監視システム、通信機器などを統合した巨大な産業設備プロジェクトになっていく可能性があります。

日本市場との関係

Goodman Groupは日本を含むアジア市場でも事業を展開しています。

日本では東京を中心とする巨大な消費市場があり、ECや物流需要も非常に大きくなっています。

さらに東京圏ではデータセンター需要も拡大しています。

実際、Goodman20268月にも「Greater Tokyo(首都圏)」におけるデータセンター関連のニュースを発表しており、日本市場をデジタルインフラの重要市場として位置付けていることが分かります。

省エネルギーと環境対策

物流施設やデータセンターは非常に大量のエネルギーを使用します。

特にデータセンターでは、サーバーそのものだけでなく、サーバーから発生する熱を取り除くための冷却設備にも大量の電力が必要です。

そのため、これからのデータセンターでは「どれだけ大きな施設を作れるか」だけではなく、「どれだけ効率よく電力を使えるか」が重要になります。

Goodman Groupも、持続可能性やエネルギー効率を重要なテーマとして事業を進めています。

また、物流施設についても、太陽光発電、エネルギー効率の高い設備、環境負荷を抑えた建築などを取り入れることが求められています。

Goodmanと自動化

FA業界の視点からGoodmanを見ると、非常に興味深い企業です。

Goodman自身がPLCやセンサーを製造するFAメーカーではありません。

しかし、Goodmanが開発する物流施設やデータセンターは、FAメーカーの製品が大量に使われる場所です。

例えば物流センターでは、

「入荷」

「搬送」

「保管」

「ピッキング」

「仕分け」

「梱包」

「出荷」

という工程が存在します。

この各工程を自動化するために、コンベヤやロボット、自動倉庫、画像処理、センサー、PLC、産業用ネットワークなどが使われます。

したがってGoodmanの物流施設が増えることは、間接的にはFA機器や産業用ロボットの需要増加にもつながります。

特に人手不足が深刻になるにつれて、物流自動化の必要性は高まっています。

AI時代におけるGoodman

今後、Goodman Groupを考えるうえで最も重要なキーワードは「AI」かもしれません。

生成AIの普及によって、データセンターの需要は大きく変化しています。

AIGPUを大量に搭載したサーバーでは、一般的なコンピューターよりも電力消費量が大きく、発熱量も大きくなります。

そのため、AIデータセンターには、

・大容量電力
・高性能冷却設備
・高度な電力監視
・高速通信設備
・高度な建物管理システム
・非常用電源
・防災設備

などが必要になります。

これは、単なる「箱としての建物」ではありません。

電力、空調、通信、制御、安全設備を統合した巨大な産業システムです。

Goodmanが物流施設からデータセンターへ事業領域を広げている背景には、こうしたデジタル経済の急成長があります。

大型施設「Daikin Texas Technology Park」との混同に注意

なお、「GOODMAN」という名前には注意が必要です。

アメリカには Goodman Manufacturing という空調メーカーがあります。この会社は1982年にセントラル空調機器やヒートポンプのメーカーとして事業を開始し、2012年にダイキン工業の傘下となりました。

現在のGoodman Manufacturingは、エアコン、ヒートポンプ、ガス暖房機、空調関連製品などを北米市場で展開しています。

こちらも非常に大きな企業ですが、今回取り上げたオーストラリアのGoodman Groupとは別企業です。

FA業界から見たGOODMAN

FA業界の視点でGoodman Groupを見ると、同社は「FA機器を作る会社」ではなく、「FAが活躍する巨大な舞台を作る会社」と考えると分かりやすいでしょう。

物流施設では自動倉庫や搬送ロボットが活躍し、データセンターでは電力・空調・防災・監視システムが24時間稼働します。

さらにAIEC、ロボット、自動化が進めば進むほど、それを収容する施設にも高度な設備が必要になります。

つまり、

AI → データセンター需要増加電力・冷却・制御設備増加

そして、

EC → 物流量増加自動倉庫・搬送設備増加 → FA機器需要増加

という流れが生まれます。

Goodman Groupは、この二つの大きな成長市場の交差点に位置する企業なのです。

まとめ

Goodman Groupは、オーストラリアを本拠地として世界各国で物流施設、倉庫、工業施設、ビジネスパーク、データセンターなどを開発・運営するグローバル企業です。

従来は物流不動産が大きな柱でしたが、現在はAI、クラウド、データ通信などの成長を背景に、データセンターを含むデジタルインフラへ事業の重点を広げています。

FA業界との直接的な関係は、PLCやセンサーなどを製造するFAメーカーとは異なります。しかし、同社が提供する物流施設やデータセンターでは、ロボット、自動搬送装置、センサー、制御機器、電力監視設備、空調制御など、非常に多くのFA技術が必要になります。

今後、AIとロボットによる自動化が進むほど、それを支える「建物」「電力」「通信」「冷却」「物流」の重要性も高まります。

その意味でGoodman Groupは、表から見ると不動産企業ですが、実際にはAI時代と自動化時代の産業インフラを支える企業として見ることができます。

FA・産業機械の世界を調べる際には、PLCメーカーやロボットメーカーだけでなく、こうした「FAが使われる環境そのものを提供する企業」にも注目すると、産業界全体の流れがより分かりやすくなります。

 

 

 

サプライチェーン情報

 

弊社の流通中古市場調査で、GOODMAN製の製品・部品は約6,000種類確認されています。

また互換・同等の製品・部品を供給している会社・ブランドは確認できませんでした。

 

上記のサプライチェーン情報は2026 08月に調査した流通在庫データをベースにしていますので日時の経過によって変動いたします。

 

 

コメント

このブログの人気の投稿

RELIANCE ELECTRIC

DATEL

掲載会社一覧

SERSA

ITT CANNON