DIGI
Digi International について
1. 企業概要
Digi International(通称:DIGI社)は、米国ミネソタ州ホプキンスに本社を置く産業用IoT(Internet of Things)およびM2M(Machine
to Machine)通信機器メーカーである。1985年設立、NASDAQ上場企業であり、産業用途向けの通信インフラ製品を中心に世界各国へ製品・サービスを提供している。
同社は特に「産業用通信」「遠隔監視」「セルラー通信ルーター」「シリアル通信のIP化」に強みを持ち、製造業、エネルギー、医療、交通、金融(ATM)、小売など幅広い分野で採用されている。
日本国内では大規模な拠点は持たないものの、代理店経由で産業装置や監視用途向けに導入されるケースが多い。
2. 主力製品群
DIGI社の製品は大きく以下のカテゴリに分けられる。
① 産業用セルラールーター
代表的なシリーズは Digi TransPort® や Digi IXシリーズ である。
特徴:
- LTE / 5G対応
- デュアルSIM
- VPN、IPsec、OpenVPN対応
- 耐環境仕様(広温度範囲)
- 長期供給モデル
用途例:
- 太陽光発電所の遠隔監視
- 水処理設備のSCADA通信
- ATM通信回線
- 無人販売機
信頼性と長期サポートが評価され、インフラ用途で多く採用されている。
② シリアルデバイスサーバー
DIGI社はRS-232/422/485をEthernetへ変換する「シリアルサーバー」の老舗メーカーでもある。
代表機種:
- Digi Oneシリーズ
- Digi Connectシリーズ
これらは既存PLCや測定機器をIPネットワークへ統合する際に使用される。
古い装置を活かしながらIoT化する現場では今でも需要が高い。
制御盤更新案件やレトロフィット工事で採用例が多いのが特徴である。
③ 組込み無線モジュール
IoT機器へ組み込むための無線モジュールも展開している。
- XBeeシリーズ(Zigbee / LTE-M / NB-IoT対応)
- 組込みセルラーモジュール
特にXBeeは評価ボードや開発キットが充実しており、プロトタイプ開発から量産までスムーズに移行できる設計思想を持つ。
④ IoTプラットフォーム(Digi Remote Manager)
ハードウェアだけでなく、クラウド型のデバイス管理プラットフォームも提供している。
主な機能:
- デバイス一括監視
- ファームウェア遠隔更新
- 接続状況可視化
- セキュリティ管理
- データ収集
単なる通信機器メーカーではなく、「通信+クラウド管理」まで統合して提供する点が近年の戦略である。
3. 技術的特徴
① 産業用途前提の設計
- -40℃〜+70℃対応モデル
- 金属筐体
- DINレール対応
- 冗長電源入力
いわゆる民生用ルーターとは設計思想が根本的に異なる。
② 長期供給ポリシー
産業機器メーカーにとって重要なのは「5年・10年単位での継続供給」である。
DIGI社は長期供給モデルを明示しており、装置組込み用途でも安心して採用できる。
これは制御機器メーカーにとって大きなメリットである。
③ セキュリティ重視
- FIPS対応モデル
- セキュアブート
- 証明書管理
- VPN暗号化
インフラ用途での採用を想定し、セキュリティ対策が強化されている。
4. 市場ポジション
DIGI社は「巨大企業」ではないが、産業用IoT通信分野では堅実なポジションを確立している。
競合企業例:
- Sierra Wireless(現在はSemtech傘下)
- Cradlepoint
- Teltonika Networks
- Advantech
DIGIの強みは「産業用×長期供給×クラウド管理」のバランス型モデルにある。
5. 日本市場との関係
日本では直接販売よりも代理店販売が中心である。
用途は主に:
- 太陽光発電監視
- 河川水位監視
- 工場の遠隔保守
- 無人設備の通信回線
国内メーカーが海外展開する際、グローバル実績のある通信機器としてDIGI製品を選択するケースも多い。
6. 企業戦略の方向性
近年はハードウェア単体販売から、
「ハード+サブスクリプション型クラウド管理」
へとビジネスモデルを進化させている。
これはIoT市場の潮流であり、単発売切り型ビジネスから継続収益型へ転換する戦略である。
7. 総合評価
DIGI社は、
- 派手さはない
- しかし堅実
- 産業用途に強い
- レガシー機器のIP化に実績
- IoTクラウドまで一貫提供
という特徴を持つ企業である。
制御盤設計や遠隔監視装置に関わる立場で見ると、
「目立たないが非常に使い勝手の良い通信屋」
という位置づけになる。
特に既存設備のIoT化や遠隔保守体制構築を検討している装置メーカーにとって、信頼できる選択肢の一つである。
サプライチェーン情報
弊社の流通中古市場調査で、
DIGI製の製品・部品は約7,000種類確認されています。
また互換・同等の製品・部品を供給している会社・ブランドは確認できませんでした。
上記のサプライチェーン情報は2026年 02月に調査した流通在庫データをベースにしていますので日時の経過によって変動いたします。
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