SCHNEIDER ELECTRIC
シュナイダーエレクトリック(Schneider Electric)とは
シュナイダーエレクトリック(Schneider Electric SE)は、フランスに本社を置くエネルギーマネジメントとオートメーションに特化したグローバル企業です。1836年に創業され、長い歴史の中で軍需産業から電力インフラ、そして現代ではスマートファクトリーやデジタルエネルギー管理へとビジネスの軸を大きく進化させてきました。現在は持続可能性(サステナビリティ)とデジタルトランスフォーメーションを掲げ、エネルギー効率の最適化と産業オートメーションの先端を担っています。
企業の概要
· 正式名称:Schneider Electric SE
· 設立年:1836年
· 本社所在地:フランス・ルーヴシエンヌ
· 従業員数:約14万人以上(2024年時点)
· 事業展開地域:世界100カ国以上
· 上場市場:ユーロネクスト・パリ
主な事業領域
シュナイダーエレクトリックは、大きく分けて以下の4つの事業領域で製品とサービスを展開しています。
1. エネルギーマネジメント(Energy Management)
電力の供給から分配、制御、監視に至るまでのトータルソリューションを提供。住宅用から商業ビル、データセンター、産業施設まで多様な顧客ニーズに応えています。
代表的な製品:
· スマートブレーカー、配電盤
· UPS(無停電電源装置)
· 電力監視システム「EcoStruxure Power」
2. 産業オートメーション(Industrial Automation)
工場や生産ラインの自動化を支援するための制御装置やソフトウェアを提供。IoTと連携し、生産性や安全性、エネルギー効率の最適化を図ります。
代表的な製品:
· プログラマブルロジックコントローラ(PLC)
· 産業用PC、HMI(表示器)
· モーションコントローラ、センサー、ドライブ装置
3. デジタルソリューション(EcoStruxure)
「EcoStruxure(エコストラクチャ)」は、同社の統合IoTプラットフォームで、エッジコントロール、アナリティクス、クラウドサービスを結びつけた階層型アーキテクチャです。住宅からビル、工場、データセンター、インフラまで全方位をカバーします。
特徴:
· IoT対応のセンサーとエッジ制御
· 機器データの収集・可視化・分析
· クラウドベースの資産管理や予知保全
4. サステナビリティとコンサルティング
近年では、企業の脱炭素化や持続可能な経営を支援するためのコンサルティングサービスにも力を入れています。エネルギー消費分析、再生可能エネルギー導入支援、脱炭素ロードマップ策定などが含まれます。
主な強みと競争優位性
1. EcoStruxureによるデジタル基盤の確立
シュナイダーは従来の製品ハードウェアだけでなく、ソフトウェアとクラウドを融合させたプラットフォーム戦略をとっています。これにより、ユーザーは設備の稼働状況、消費電力量、保守状態を一元管理できる点が強みです。
2. グローバルな製品供給と現地対応
世界中に拠点を持ちつつ、各地域のニーズに応じた製品やサポートを提供する「グローカル」戦略を展開。日本でもシュナイダーエレクトリックジャパンとして国内市場に最適化された製品を展開しています。
3. サステナビリティの先駆者
同社は自社のCO2排出ゼロを2040年までに達成する目標を掲げており、自社製品のライフサイクルでも環境負荷を可視化・削減。2021年には「世界で最も持続可能な企業」ランキングで1位に選ばれたこともあります。
日本市場における展開
日本では、以下のような分野でシュナイダー製品が広く使われています:
· 製造業:三菱電機やオムロンと並ぶ制御機器メーカーとして存在感
· データセンター:APCブランドのUPSや空調機器
· スマートビル:エネルギーマネジメントとBEMS(ビルエネルギー管理システム)
· 再生可能エネルギー:太陽光発電システムや蓄電ソリューション
また、他社ブランドとの**互換性(特にPLCやHMI)**も一定の評価があり、レガシーシステムとの統合・置き換え需要に対応しています。
企業文化と取り組み
シュナイダーエレクトリックは、「Life is On」という企業スローガンのもと、誰もがどこでもエネルギーを最大限活用できる社会の実現を目指しています。社内文化としても以下の点に注力:
· ダイバーシティ&インクルージョン:ジェンダー平等や障害者雇用に積極的
· フレックス制度や在宅勤務制度の整備
· 従業員のESG意識の向上
社員の声を重視した組織文化づくりが、長期的な競争力の源泉となっています。
シュナイダーエレクトリックは、エネルギーとオートメーションを中核に据えた世界有数の企業です。産業の電化・デジタル化・脱炭素化が進む中で、その技術とソリューションは多くの企業・組織にとって不可欠な存在となっています。環境意識と先端技術の融合により、今後も持続可能な社会づくりの一翼を担う存在であり続けるでしょう。
1. “鉄鋼業からIT企業へ”という劇的転換
シュナイダーエレクトリックの原点は実は重工業・軍需産業でした。19世紀には鉄道部品や兵器、さらには鉄鋼業を手がけており、いわゆる「重厚長大」な企業でした。
ところが、1980年代以降、CEOアンリ・ラクロアのもとで急速な事業再編が始まりました。鉄鋼や造船などの重工部門を売却し、エネルギーと電気設備に集中。その後は電力、制御機器、デジタルオートメーションの分野にシフトし、今ではITと環境を融合したエネルギー企業というユニークな立ち位置に。
「フランスの製鉄会社が、マイクロソフトとエネルギー効率を競うようになるとは
誰が想像しただろう」と、当時はメディアにも驚きをもって報じられました。
2. EcoStruxureの名前の由来がちょっとダジャレ
シュナイダーのIoTプラットフォーム「EcoStruxure(エコストラクチャー)」は、"Ecological Structure"(エコな構造)と"IT Infrastructure"(ITインフラ)のダブルミーニングです。
社内ではこの名前が出たとき、「ちょっとクサいけど覚えやすい」と評判になったとか。いまやこの名前は、ビジネスのコアブランドとしてグローバルに通じるようになっています。
3. 社内公募で“地球の裏側”に異動した社員の話
シュナイダーは国際的な人材流動を積極的に支援しており、社員が社内公募で海外に異動することが珍しくありません。日本のある若手社員が「製品開発よりも現地支援に興味がある」と希望を出したところ、数か月後にはアフリカ・ケニアのマイクログリッドプロジェクトに参加することに。
現地では村落にソーラー発電と蓄電池を導入し、昼でも夜でも照明やポンプが使えるように。「インフラが整えば、教育も経済も変わる」という現場の実感を得て、日本帰国後はエネルギーアクセス事業に関わるチームを立ち上げたそうです。
4. 自社ビルが“製品カタログ”そのもの
フランス本社や日本法人の一部オフィス(例:横浜オフィス)では、建物自体がシュナイダー製品のショールームとして機能しています。
· 自動ブラインドと照明が連動する「スマートビルディング」
· ビル全体のエネルギー使用をリアルタイムで可視化
· 社員の座席すらAIが最適配置
来客者には「シュナイダーの製品って、生活とこんなに密接だったんだ」と印象付ける工夫がされています。
5. 電力会社や競合とも“あえて手を組む”スタンス
一見すると競合になりそうな電力会社や重電メーカーと積極的にアライアンスを組んでいるのもユニークな点です。特に再エネ・蓄電・分散電源の分野では、「シュナイダーだけで全てを担うのではなく、パートナーと共に価値をつくる」姿勢をとっています。
たとえば:
· 日立やNECと連携したスマートシティプロジェクト
· 三菱地所と組んだビルのエネルギーマネジメント
「競合というより“共創”の時代だ」と、同社の日本法人社長が語ったことも。
サプライチェーン情報
弊社の流通中古市場調査で、 SCHNEIDER ELECTRIC 製の製品・部品は約112,000 種類確認されています。
また互換・同等の製品・部品を供給している主な会社・ブランドと種類数は以下のとおりです。
ERIE CONTROLS 117
TELEMECANIQUE 4519
SQUARE D 10824
MERLIN GERIN 1554
MODICON 1060
EBERLE 101
ANDOVER CONTROLS 103
TAC 163
APC 324
PELCO 217
APRIL 61
BERGER LAHR 213
VICONICS 26
PROFACE 398
XYCOM 48
MAGNECRAFT 1241
SATCHWELL 62
ELIWELL 46
ELAU AG 78
LAURITZ KNUDSEN 14
RB DENISON 26
CLIPSAL 34
INTELLIGENT MOTION SYSTEMS 34
SAREL 34
HIMEL 46
CSI CONTROL SYSTEM INC 57
MAGNECRAFT SIGMA 45
CONTROL MICROSYSTEMS 35
TRICONEX 3
EUROTHERM CONTROLS 20
SYMAX 249
LEXIUM 12
TOPAZ 8
FELLER ENGINEERING 6
SERCK CONTROLS 11
ASCO POWER TECHNOLOGIES 10
SERIPLEX 12
MERTEN 3
HYDE PARK 78
FEDERAL PIONEER 96
MAGNECRAFT GRAYHILL 23
AEG 4
TOPAZ POWER 7
TELVENT 3
MITA 3
CONZERV 14
POWER MEASUREMENT 2
INVENSYS 4
BERGER POSITEC 2
上記のサプライチェーン情報は2024年 10月に調査した流通在庫データをベースにしていますので日時の経過によって変動いたします。
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