JOSLYN CLARK
JOSLYN CLARK社の概要
JOSLYN CLARK社は、主に産業用モータ制御機器、モータスタータ、制御リレー、モータ保護装置などを手掛けてきた、アメリカを代表する重電・産業制御系メーカーである。特に20世紀中盤から後半にかけては、過酷な産業環境向けの高信頼モータ制御機器の分野で高い評価を確立した。
同社は現在、単独ブランドとして前面に出ることは少なくなっているが、その技術・製品群はEaton(イートン)グループに継承され、今も多くの産業設備で使われ続けている。JOSLYN CLARKは、いわば北米産業インフラを支えた老舗制御機器メーカーの一角を担った存在である。
歴史と企業的背景
JOSLYN CLARKのルーツは、Joslyn
Manufacturing & Supply Companyにさかのぼる。
同社は19世紀末に創業し、当初は鉄鋼・機械分野を中心とした事業を展開していたが、20世紀に入ると電動機の普及とともに、モータ制御・電力制御機器分野へ本格参入した。
「Clark」の名は、後に合併・統合された企業群に由来し、JOSLYN CLARKというブランドは、堅牢性・信頼性・長寿命を象徴する名称として産業界に定着した。
特に第二次世界大戦後のアメリカ産業成長期において、重工業、鉱業、石油・ガス、上下水道といった分野で同社製品は広く採用された。
主力製品分野
1. モータスタータ(Motor Starters)
JOSLYN CLARKを代表する製品が、産業用モータスタータである。
交流モータの始動・停止・保護を目的としたこれらの製品は、
- フルボルテージスタータ
- リバーシングスタータ
- 減電圧始動用スタータ
など、多様な構成を持ち、大容量モータにも対応可能な堅牢設計が特長であった。
過負荷、短絡、欠相といった異常状態からモータを確実に保護する設計は、当時としては非常に先進的であり、設備の長寿命化に大きく貢献した。
2. モータ制御盤・制御システム
JOSLYN CLARKは、単体機器だけでなく、モータ制御盤(MCC)やカスタム制御システムも提供していた。
これらは、顧客の用途に応じて設計され、鉱山用コンベア、ポンプ設備、圧縮機、クレーンなど、連続稼働が前提となる重負荷用途で多く使われた。
特に、防塵・防湿・耐振動といった環境耐性に優れ、過酷な屋外・工業環境でも安定動作する点が評価されていた。
3. 制御リレー・補助機器
JOSLYN CLARKは、制御リレー、補助接点、タイマ、インターロック機構などの補助制御機器も手掛けていた。
これらはモータ制御回路の中核を担い、確実なシーケンス制御と安全性を実現するために不可欠な存在であった。
特に機械的信頼性の高いリレー設計は、「壊れにくい制御機器」というブランドイメージを確立する要因となった。
技術的特長と思想
JOSLYN CLARKの製品思想は、現代のコンパクト・高機能志向とは異なり、
- 余裕を持った定格設計
- シンプルで理解しやすい構造
- 修理・交換を前提とした長期使用設計
に重きを置いていた。
そのため、数十年稼働し続けている設備に、今なおJOSLYN CLARKのスタータや制御機器が残っている例も珍しくない。
これは、同社が「短期的な性能より、長期の信頼性」を最優先していたことの証左である。
主な採用分野
JOSLYN CLARK製品は、以下のような分野で広く使用された。
- 鉱山・採掘設備
- 石油・ガスプラント
- 上下水道ポンプ設備
- 製鉄・重工業プラント
- 発電所・送電関連設備
いずれも、停止が許されない社会インフラ・基幹産業であり、JOSLYN CLARKの信頼性が強く求められる現場であった。
Eatonグループへの統合と現在
JOSLYN CLARKブランドは、事業再編の過程でEaton Corporationに統合された。
その結果、現在ではJOSLYN CLARKの名称は前面には出ないものの、技術思想や製品コンセプトはEatonのモータ制御製品群(スタータ、MCC、保護機器)に色濃く受け継がれている。
保守・更新の現場では、「旧JOSLYN CLARK製品の置換」としてEaton製品が選定されるケースも多く、事実上の後継メーカーと位置付けられている。
まとめ
JOSLYN CLARK社は、アメリカ産業の発展期を支えたモータ制御・産業制御機器の老舗メーカーであり、その名は堅牢性・信頼性・長寿命の象徴として記憶されている。
現代のスマート制御・デジタル化とは対照的な、重厚で実直な設計思想は、今なお産業現場で高く評価されている。
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サプライチェーン情報
弊社の流通中古市場調査で、JOSLYN
CLARK製の製品・部品は約9,000種類確認されています。
また互換・同等の製品・部品を供給している会社・ブランドは確認できませんでした。
上記のサプライチェーン情報は2025年 10月に調査した流通在庫データをベースにしていますので日時の経過によって変動いたします。
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