FLUKE
FLUKE(フルーク)社 ―
■ 1. 企業概要と位置づけ
Fluke Corporation(フルーク社)は、アメリカ・ワシントン州エバレットに本社を置く世界的な計測機器メーカーである。1948年にJohn
Flukeによって創業され、「信頼性・堅牢性・精度」を核とした電気計測機器のリーディングカンパニーとして知られる。現在では計測器の分野で世界標準といってよい地位を確立しており、工業計測、設備保全、電気保安、研究開発、発電所・プラントなど、多様な業界の基盤を支える企業である。
Flukeは、テクトロニクス(Tektronix)やキーサイト(Keysight)と並び、アメリカの計測機器を語る上で欠かせない存在であり、特に ハンディタイプの電気計測器では世界トップブランド として広く信頼されている。その性能と耐久性は、過酷な現場環境でも壊れにくく、安定した測定結果が得られることから「プロが最後に持つ計器」「故障しない工具の象徴」とまで評される。
■ 2. 企業の歴史
創業者のJohn Flukeは、もともとヒューレット・パッカード(HP)で電子計測技術に携わっていた技術者である。戦後の急速な電子機器発展の時代、信頼性のある計測器の必要性を強く感じ、自身の会社「John Fluke Manufacturing」を設立した。
創業当初は電子回路の調整・補正に使う高精度の計測器を開発し、航空・軍事向けの分野で高く評価された。そこから産業用の計測器市場に進出し、1980年代には デジタルマルチメータ(DMM) における業界標準を確立する。
特に1983年に発売された FLUKE 8020A は、耐衝撃性と高精度を両立した名機として世界の現場で使われ続け、同社の基礎を築いた。
その後はサーモグラフィー、電力品質解析、校正器、絶縁抵抗計、クランプメータ、電気安全試験器など、多角的な計測器ラインを展開。現在は工業計測事業グループの中核として、DanaherグループからスピンオフしたFortive Corporationの一員となっている。
■ 3. 事業分野と主要製品ライン
● (1) デジタルマルチメータ(DMM)
FLUKEの代名詞ともいえる製品。
代表機種は Fluke 87V、Fluke
289 などで、世界中の電気保安業務、製造業、鉄道、プラント、通信設備などで使用されている。
特長は次のとおり:
- 高耐久(落下試験をクリア、ゴムバンパー構造)
- 高精度・低ノイズ
- 過電圧カテゴリ(CAT III / CAT IV)に対応
- 真の実効値(True RMS)対応
これらがプロユーザーから高く評価され、一般の安価な測定器とは一線を画している。
● (2) クランプメータ
非接触で大電流を測定できる電流計。
Flukeのクランプメータは絶縁性能が高く、電気工事士・設備保全での定番。
先端部の形状精度が高く、漏れ電流の測定にも安定している点がプロに好まれている。
● (3) サーモグラフィー
Flukeの赤外線カメラ(Tiシリーズ)は、産業保全の現場で大きなシェアを持つ。
- 電気盤の発熱
- モーターやポンプの異常兆候
- 設備の予知保全
などに利用され、安全性と分析機能の高さから設備保全の現場で広く活用されている。
● (4) 校正器・標準器
Fluke Calibration の部門は、電圧・温度・圧力の高精度校正器を提供し、各国の校正機関や研究所で使われている。国家標準レベルの測定も可能であり、計量業界でも非常に高い信頼性を持つ。
● (5) 電力品質解析(Power Quality Analyzer)
PQ(電力品質)の測定は、近年の工場のインバータ・UPS・EV充電設備の増加により重要性が高まっている。
Fluke の 43B、1738、Fluke 435-II などは
- 電圧低下
- 高調波
- 瞬停
- 需要電力分析
などに使用され、電源トラブル解析の代表的機器となっている。
■ 4. 技術的特徴と FLUKE の思想
● (1) “壊れない計測器”
Fluke製品は、軍事レベルの耐久性を意識して設計されており、極端な衝撃・振動に耐える構造が採用されている。
落としても壊れにくいゴム外装、防水・防塵のIP規格対応など、現場での過酷な使用を想定した設計が特徴。
● (2) 高い安全性規格
- CAT III、CAT IV
- IEC 61010
- 過電圧保護回路
- 高断熱内部構造
これにより、万一誤って高電圧に接触した場合でも、ユーザーが安全に作業を行える。
● (3) ワールドワイドサポート
Flukeは世界100以上の国と地域に販売・サービス網を持つ。
日本でもフルークジャパン(FLUKE JAPAN)が存在し、校正・修理体制が整備されている。
この“どこでも修理できる”点も、現場で選ばれる理由のひとつである。
■ 5. 利用される業界
- 電気工事・電気保安
- 鉄道・交通インフラ
- 製造業の設備保全
- 発電所・変電所
- 石油・化学プラント
- 半導体工場
- 研究機関・大学
- 航空宇宙産業
特に 電気安全が重要な現場では Fluke がデファクトスタンダード といってよい。
■ 6. Fluke のブランド価値と現場評価
Fluke の計測器は「多少高くても間違いない」「最後まで現場で生き残る」という評価が根強い。
故障率が非常に低く、20年以上使用される機種も珍しくない。
中古市場でも値下がりしにくく、計測器の“資産価値”としても高い。
また、Fluke の製品はUI(ユーザーインターフェース)がわかりやすく、誰でも直感的に扱えるよう設計されていることも大きな強みである。
■ 7. まとめ
FLUKE(フルーク)社は、計測器の世界でトップクラスの歴史・実績・信頼を持つメーカーであり、その象徴的な地位は「プロフェッショナルが選ぶ計測器」として確立している。
高耐久性と高精度、安全性を兼ね備えたその機器は、電気工事・設備保全・プラント・研究開発などあらゆる現場で活用されており、今後も世界の産業インフラを支える存在であり続けるだろう。
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サプライチェーン情報
弊社の流通中古市場調査で、FLUKE製の製品・部品は約21,000種類確認されています。
また互換・同等の製品・部品を供給している主な会社・ブランドと種類数は以下のとおりです。
HARRIS 186
AMPROBE 386
DYNAPRO 49
COMARK INSTRUMENTS 565
METRON 4
FLUKE BIOMEDICAL CORP 4
ROBIN METER 4
RAYTEK 4
上記のサプライチェーン情報は2025年 09月に調査した流通在庫データをベースにしていますので日時の経過によって変動いたします。
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