REXNORD
■ 企業概要
Rexnord Corporation(レックスノード社)は、アメリカ・ウィスコンシン州ミルウォーキーに本社を置く、機械動力伝達システムと水マネジメント製品のグローバルメーカーです。創業は19世紀末に遡り、100年以上にわたり、産業機械の効率化や信頼性向上に貢献してきました。主力製品はベアリング、ギア、チェーン、カップリング、コンベアコンポーネント、シール、そして水処理関連のバルブや弁機構など、多岐にわたります。
Rexnordのモットーは「Keep the world moving(世界を動かし続ける)」であり、製造業、鉱業、エネルギー、航空宇宙、水処理、建築設備など、社会インフラを支える分野に深く関わっています。近年はデジタル化にも注力し、IoT(Internet
of Things)を利用した設備監視ソリューションも展開しています。
■ 歴史と発展の歩み
Rexnordのルーツは、1892年にウィスコンシン州で設立された「Chain Belt Company(チェーンベルト社)」にあります。この会社は、当時まだ新しい技術だった金属チェーン式の動力伝達機構を開発し、農業機械や産業用設備に導入したことが始まりでした。
20世紀前半には、コンベアチェーンやギア、ベアリングなどの分野に事業を拡大し、第二次世界大戦中には米国政府の軍需生産を支援する重要企業として活躍しました。戦後は「Chain Belt Company」から「Rex
Chainbelt Inc.」へと社名を変更し、よりグローバルな産業機械メーカーへと転換していきます。
1970年代には「Rexnord Inc.」へ社名を改め、買収や統合を繰り返しながら大きく成長。1980年代には、航空機用ベアリングメーカー「Link-Belt」、産業用ギアメーカー「Falk Corporation」、そして水関連製品メーカー「Zurn Industries」などを次々と傘下に収め、機械駆動系と水マネジメント系の二本柱を持つ複合エンジニアリング企業となりました。
■ 主要事業分野
Rexnord社の事業は、かつて以下の2つの大きな分野で構成されていました。
① Process & Motion Control(PMC)部門
この部門は、産業機械の「動力伝達」を担う製品を提供しています。代表的な製品群は以下の通りです。
- ベアリング(Bearing):高耐久・高負荷対応のローラーベアリングやスフェリカルベアリングを開発。重工業、鉱業、紙パルプ産業などに多く採用。
- ギア(Gear):産業用減速機や高精度ギアボックスを提供。特に「Falk」ブランドは業界の代名詞的存在です。
- カップリング(Coupling):モーターとシャフトをつなぐ高信頼性の連結機構。振動吸収やトルク伝達の効率化に寄与します。
- チェーン・コンベアコンポーネント:食品・飲料・自動車・鉱業など、あらゆる生産ラインで使われるコンベア部品を提供。Rexnordのステンレスチェーンは耐摩耗性に優れています。
- 産業IoTソリューション:「Smart Condition
Monitoring System」など、センサーで設備の状態を常時監視し、異常を予知するシステムを開発。
この部門は、製造現場の生産性を向上させる「予防保全型メンテナンス」を支える技術として高く評価されています。
② Water Management(Zurn
Water Solutions)部門
もう一つの柱が、建築設備や水処理に関わる事業です。この分野では「Zurn」ブランドが中核を担っています。
- 水栓金具・バルブ・排水システム:学校、病院、空港、商業施設などに採用される高品質な配管機器を製造。
- 節水技術:Zurnは北米で最も先進的な水効率設計を持つメーカーの一つで、環境認証LEEDに対応した製品も多数。
- 建築用設備システム:雨水排水、グリーストラップ、床排水口など、建築・プラント向けの水管理ソリューションを提供。
Zurnブランドは特に「水の安全性・効率性・持続可能性」をテーマにしており、サステナブルなインフラ整備に貢献しています。
■ 近年の大きな転機 ― Regalとの統合
2021年、Rexnordの産業動力伝達部門(PMC)は、同業の Regal Beloit Corporation(リーガル・ベロイト社) と合併しました。統合後の新会社は Regal Rexnord
Corporation となり、世界的なモーションコントロール機器メーカーとして新たなスタートを切りました。
この統合により、ギア、モーター、ベアリング、ドライブ、センサーなどを一体化した「トータルモーションソリューション」の提供が可能となり、電動化・自動化の流れに対応した企業体制が整備されました。一方で、水関連部門の「Zurn」は独立性を保ち、2022年には「Zurn
Elkay Water Solutions」として新たに再編されています。
■ 技術力と品質へのこだわり
Rexnordの強みは、「信頼性の高い動力伝達」と「長寿命設計」にあります。各部品は、過酷な環境(高温・高圧・高トルク)に耐えるよう設計され、特に鉱山や製鉄所、発電所など、停止が許されない現場での稼働実績が豊富です。
また、近年はデジタル化・自動化にも注力しており、機械の稼働データをクラウドで管理し、AIによって異常を予測する「Rexnord Edge Intelligence Platform」など、スマートメンテナンスソリューションを提供しています。これにより、ダウンタイム(停止時間)を最小限に抑えることが可能となっています。
■ グローバル展開
Rexnord(およびRegal Rexnord)は現在、世界40か国以上に製造・販売拠点を展開しています。アメリカ、カナダ、ドイツ、イタリア、中国、インド、メキシコなどに工場を構え、地域ごとに最適化された生産・物流体制を持っています。
顧客層は、自動車、鉄鋼、食品・飲料、エネルギー、建築、水処理、航空宇宙など幅広い分野に及びます。
日本国内では代理店経由で各種ギアボックス、カップリング、コンベアパーツなどが供給されており、特に工場自動化や生産ライン改修の現場で高い信頼を得ています。
■ まとめ
Rexnord社は、19世紀にチェーンベルトメーカーとして誕生して以来、産業社会の「動力と流体の流れ」を支え続けてきた老舗企業です。
現在では、Regal Rexnord という新たな体制のもとで、電動化・自動化・デジタル化といった次世代産業のニーズに対応する「総合モーションテクノロジーカンパニー」として進化を遂げています。
その根底にあるのは、「信頼性(Reliability)」と「技術革新(Innovation)」という不変の理念。
Rexnordの製品は、世界中のプラントや工場で“止まらない機械”を実現し続ける、まさに産業の縁の下の力持ちなのです。
![]()
サプライチェーン情報
弊社の流通中古市場調査で、
REXNORD製の製品・部品は約種類確認されています。
また互換・同等の製品・部品を供給している主な会社・ブランドと種類数は以下のとおりです。
FALK 488
WM BERG 1316
THOMAS COUPLINGS 16
LINK BELT 915
STEARNS 679
REX GEAR 4
ZURN 47
WILKINS 16
MARBETT 17
AUTOGARD 11
上記のサプライチェーン情報は2025年 09月に調査した流通在庫データをベースにしていますので日時の経過によって変動いたします。
コメント
コメントを投稿