ITT
■ ITT 社の概要 ITT Inc. (旧名: International Telephone and Telegraph Corporation )は、アメリカ合衆国ニューヨーク州スタンフォードに本社を構える多国籍企業で、創業は 1920 年に遡ります。社名の通り、もともとは通信機器・電話事業を中心に発展した企業でしたが、現在では大きく事業構造を変え、 工業用ポンプ、制御バルブ、モーション制御製品、コネクタ、センサーなどを手掛けるグローバルなエンジニアリング企業 として知られています。 ITT の製品は、輸送機器、エネルギー、航空宇宙、防衛、水処理など、幅広い産業分野で使用されており、特に「高信頼性」と「長寿命性」に定評があります。 ■ 創業の背景と初期の発展 ITT の歴史は、 1920 年に兄弟である Sosthenes Behn (ソステネス・ベーン)と Hernand Behn (エルナンド・ベーン)が、プエルトリコで電話事業を手掛けていた「 International Telephone Company 」を基盤にして設立したことに始まります。当時はアメリカ国外で通信インフラを整備することが主な目的で、ヨーロッパや南米、アジア各国において通信回線・電話ネットワークの整備を進めました。 1920 〜 1930 年代には積極的な買収戦略を展開し、欧州の多くの電話会社を傘下に収め、国際的な通信コングロマリットとして急成長します。 第二次世界大戦後、 ITT はアメリカ国内でも通信機器だけでなく、 防衛産業や電子部品分野へ進出 しました。特に冷戦期には、米軍向けの通信装置や制御装置の開発で重要な役割を果たしました。この時期の ITT は、アメリカ政府と密接に連携し、軍需通信や情報処理分野の大手企業として確固たる地位を築きました。 ■ 多角化と分社化の時代 1960 〜 1980 年代にかけて、 ITT は通信事業から多角化を進め、ホテル、レンタカー、保険、不動産、製造業など、幅広い分野に進出します。特に 1960 年代には米国の大企業として知られ、「 ITT エンパイア」と呼ばれるほどの巨大コングロマリットとなりました。 当時の傘下企業には、 Sheraton ホテルチェーン、 Avis レンタカー...