ENI
ENI 社の概要 ENI (エニ、正式名称: Eni S.p.A. )は、イタリア・ローマに本社を置く多国籍エネルギー企業です。 1940 年代に国営石油会社として設立され、現在では世界有数の石油・ガス企業の一つに数えられています。エネルギーの探鉱・生産・精製・販売に加え、近年では再生可能エネルギーや脱炭素技術にも注力しており、イタリア経済を象徴する国営企業からグローバルエネルギーグループへと発展してきました。 ENI はイタリア証券取引所( Borsa Italiana )に上場しており、同時にミラノを代表する株価指数「 FTSE MIB 」の構成銘柄の一つです。また、世界的な石油メジャー(スーパーメジャー)ほどの規模ではないものの、ヨーロッパを拠点とするエネルギー企業としては BP 、 TotalEnergies 、 Shell と並ぶ存在感を持っています。 創業と歴史的背景 ENI の起源は第二次世界大戦後の 1945 年に設立された「アジペ( Agip: Azienda Generale Italiana Petroli )」に遡ります。当時、戦後復興を進めるイタリアにとってエネルギー供給の自立は最重要課題でした。イタリア政府はエネルギー開発を国家主導で推進するため、 1953 年に 国営エネルギー企業「 Ente Nazionale Idrocarburi ( ENI )」 を設立。これが現在の ENI 社の前身です。 初代総裁に就任した エンリコ・マッテイ( Enrico Mattei ) は、 ENI の方向性を決定づけた人物として知られています。マッテイは石油資源の乏しいイタリアが国際市場で不利な立場に立たされないよう、産油国と独自の協定を結びました。従来、メジャー石油会社は産油国に対して「 50:50 」の利益分配を基本としていましたが、マッテイは 「 75:25 」 の方式(産油国に有利な条件)を提案。これによって中東やアフリカ諸国からの信頼を獲得し、 ENI は短期間で国際的に台頭しました。 その後も ENI は、北アフリカや中東での探鉱権を積極的に取得し、ヨーロッパにおける独自の供給網を確立。イタリア国内では天然ガスパイプラインを整備し、工業化を支えるエネルギー基盤を...